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その魂に祝福を
魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方2
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『あん時も言ったが、本来魔法使いがその生涯において一度だけ使える切り札だ。相棒が普段使っている供物魔法より遥かに強力だが、その代償として自分の肉体の一部を捧げなけりゃならねえ事から禁術と呼ばれる。まぁ、古代セルト人が滅んだ直接的な原因の一つだと言っちまっていいだろうな。当時は供物魔法と禁術の区別もロクになかったしよ』
「身体の一部を捧げる……」
 ゾッとするような言葉を口の中で呟く。ユーノも同じくゾッとしたように言った。
「つまり、あの場合は捧げられたのは皮膚、ですか?」
『そういうことだな。ちなみに、代償として被った傷はさすがの相棒も自力で治すのは難しい。力と引き換えに差し出したもんを取り返すにゃ相応のイカサマが必要って事さ』
 代償に捧げた身体の一部を取り戻すためのイカサマ。つまり、それが、
「そのイカサマっていうのが、リブロム君の事なの?」
『そう言う事だ。オレの役目は別にそれだけじゃないけどな。言わなかったか? オレは相棒の叡智全てを費やして造り出された至高の魔術書なんだぜ。ヒャハハハハッ!』
 大笑いするリブロムに、私は曖昧に笑って見せる。ただの喋る本じゃなかったんだ――というのが、本当のところだった。
(だって、中を読ませてくれないんだもん!)
 素直に尊敬の念を込めて見つめるユーノ――考古学を専門にしているので、やっぱり興味があるのだろう――に、何となく言い訳をしていると、リブロムが言った。
『もっとも、いくらオレでもお手軽にって訳にゃいかねえし、そもそもオレの『使い方』を知っている奴が必要となる。あくまで切り札は切り札って事だな』
 それもそうか。いつでも治せるというなら、とっくにリブロムは光を治しているはず。
「じゃあ、私がリブロム君を使えれば、光お兄ちゃんを治せるの?」
『いいところに気付いたな。その通りだ。ちなみに、オレの『使い方』自体はそんなに難しくねえ』
 理論となると、説明するだけで年とっちまうけどな――そう言ってリブロムが笑う。とはいえ、私も理論には興味がない。いま重要なのは、そこではない。
「それなら、早く教えてよ!」
 思わず叫んでいた。あんなに酷い火傷を負っているのだ。早く治してあげたい。
『待て待て。オマエの気持ちは分かるが、それは得策じゃねえ。代償が消えれば、相棒がオレを取り戻す必要性は下がる。つまり、オマエが接触できる可能性も低くなるって事だ』
「でも!」
『まぁいいから気にすんな。オレが勝手に黙ってるだけだ。治せないのは別にオマエのせいじゃねえよ。つーかそもそもオレに子守押し付けた挙句、後先考えないで禁術なんぞ使った相棒の自業自得だからな。ヒャハハハハッ!』
「でも……」
 納得できない。光達と会えないのは困る。でも、そのせいで光が苦しむのは間違っていると思う。
『そ
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