無印編
もう一人の魔法少女
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なのはがデバイスを展開している間に、龍一は杭を出して投げつけ、子猫の前に防御魔法を出して、少女の攻撃を防ぐ。
「くっ、魔導師!ロストロギアの探索者か?」
少女は龍一を見た後、なのはのデバイスに視線を向けた。
「バルディッシュと同系統のインテリジェントデバイス」
「バル・・・ディッシュ?」
『サイズフォーム、ゲットセット』
バルディッシュの形状が斧から大鎌の様な形に変わり、魔力刃が展開される。
「!?」
「申し訳ないけど、貰っていきます」
そう言うと、少女はなのはにバルディッシュを振るってきた。
それをなのはレイジングハートで受け止める。
「どうして、こんなことを!?」
「多分、答えても意味がない」
本来、戦いを好むような性格ではないなのはは、少女に話合を試みたが、少女は冷たく突き放した。
一方、龍一はと言うと・・・。
「今のうちに封印しないとな・・・」
二人が戦っている隙に封印作業に入っていた。
「ふっ!!」
杭同士を灰色の魔力光の帯で繋ぎ、それを投げつけて巨大な猫を地面に繋ぎ止めた。
ちなみにこの魔法はユーノから教わったミッド式を自分流にアレンジしたものである。
「ジュエルシード、封印!!」
子猫は元の姿に戻り、そばにジュエルシードが出現する。
「よし」
龍一がそれを回収しようとすると・・・。
「それをこちらに渡してください」
先ほどの少女の声が聞こえ、首元に大釜の刃が突きつけられる。
「・・・・・・」
龍一は視線だけを動かし、なのはの様子を確認しようとした。
「心配しないで、あの娘は無事です。ただ気絶しただけで外傷はほとんどありません」
なのはを見ると、ユーノのフローターフィールドをトランポリン代わりに受け止められ気絶しているようであった。
「もう一度言います。そのジュエルシードをこちらに引き渡してください」
「ああ、分かった」
龍一は素直にジュエルシードを引き渡した。
実を言うと、龍一はこのような状態からでも逆転する方法など、父に何十通りも教えられていたが、あえて彼女の言葉に従ったのだ。
それは、『原作知識』のせいでもある。
彼女は原作で、21個の内、最終的に半数近くも持ち帰ったが、それでも足りないと母から虐待を受けていた。
しかし、それよりもさらに少ない数しか持ち帰れなかったら、もっと悲惨な目にあわされるかもしれないと考えたからである。
偽善であることは承知している。
本当に彼女の事を考えるなら、母の元に返さないようにするべきである。
それでも、状況的に彼女を倒すなり拘束するなりできない現段階ではこれが精一杯なのだ。
「・・・・・・・
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