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剣の丘に花は咲く 
第十三章 聖国の世界扉
第六話 償えない罪
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巨大な建物が立ち並ぶ中、人知を越えた戦いを繰り広げる者たち。
 もしかしたら、士郎に関係する事かもしれないと思いながらも、それを聞くにはためらわせる程のモノがその“夢”にはあった。
 その“夢”が一体何なのかわからないまま、日々は流れ―――出会った。
 “夢”の住人である筈の少女と。
 『アルトリア・ペンドラゴン』と名乗り、士郎が『セイバー』と呼ぶ少女と……。
 アンリエッタは士郎に向けていた視線を、所在無さげにしているティファニアに向けた。
 
「―――“聖戦”“ガリア”“悪魔”……それに“セイバー”……ですか」

 ため息混じりに呟いたアンリエッタは、顔を動かさず視線だけを動かしチラリと士郎に目を向けると、小さく口の中で呟いた。

「……シロウさん。この場合、どれから片付けたら良いんでしょうか」

 
 
 
 
 士郎たちに“聖戦”への協力を求めてきたヴィットーリオたちだったが、聖戦(それ)以外にも協力を求めてきたものがあった。それはヴィットーリオたちが大晩餐室から退出する際の時であった。ヴィットーリオは士郎たちにとある作戦への協力を依頼してきた。それは最近不穏な動きをみせるガリア―――ルイズを執拗に狙い続けるガリアの虚無の担い手とその使い魔に対する作戦であった。
 正確には、正体不明の虚無の担い手に対するものと言うよりも、その協力者であるガリア王ジョゼフに対しての作戦であった。
 ガリアは強国である。領土、資金、軍事力その全てがハルケギニア最大と言っても過言ではない。そのガリアが虚無の担い手を有するだけでなく、天敵である筈のエルフとも手を組んだという。もはや過剰と言う言葉でも足りないほどの力を、今のガリアは持っていた。
 ―――そして、最近そのガリアが不穏な動きを見せている。
 ならば、もはや悠長に話し合いで解決していては遅い。
 そのため、ヴィットーリオはある作戦を考えたと言う。
 ガリアにいる虚無の担い手の使い魔―――ミョズニトニルンを捕らえる作戦を。
 その作戦とはこうだ。
 まず、三日後ガリアとの国境の街であるアクレイアで行われる教皇の即位三周年記念式典において、ガリア王ジョゼフを出席させる。それにジョゼフが大人しく出席するも良し、別段欠席したとしても別に問題はない。ここで肝となるのは、ルイズたちがその式典に出席することをガリアが知る点だ。
 つまり、この作戦を一言で言うならば、ルイズたちを囮としてガリアの虚無の担い手を釣るという事である。
 餌はなにもルイズたちだけではない。
 式典の前にタイミングを見計らい、教皇であるヴィットーリオもまた、虚無の担い手の一人であるとの情報を流し囮となる。ガリア王ジョゼフの目的も、ガリアの担い手の目的も判然としていないが、執拗なまでルイズたち虚無の担
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