第十三章 聖国の世界扉
第六話 償えない罪
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ると、『そうか』と呟きルイズから視線を外した。
士郎の視線から逃れたルイズは、頭を抱え椅子の上で蹲った。頭を抱え込みながら、ルイズは周りから気付かれないように静かに、しかし大きく深いため息をついた。
っぁあ〜……わたし、何考えてんのよ。
シロウに何を言うつもりだったのよ。
『聖下が言ってた“悪魔”って、もしかしてシロウのこと?』―――とでも言うつもりだったの?
馬鹿じゃないの!?
そんなわけないじゃないっ!
聖下が言ってた“アレ”が、シロウと何か関わりがあるんじゃないかって……そんなわけ……あるわけが……。
だって、何千年も昔の話なんでしょ……なら、シロウに関係があるわけがないじゃない。
確かにわたしは聖下が言ったような光景を“夢”で見たことあるけど……でも、その“夢”も本当にシロウと関係があるのかどうかなんてわから―――……ううん、あの“夢”が、シロウに関係しているのは間違いない。だって、同じような“夢”を見たって、シエスタも、ジェシカも言ってた……。
今も、目を閉じれば直ぐに思い出せる。
―――赤ク染マッタ空ノ下、枯レ果テタ荒野ガ広ガリ―――
どうしてかはわからない。
―――大地ニ突キ刺サル数エ切レナイ剣―――
ただ、気付いていたら涙が溢れていた。
―――何処カ遠ク、金属ヲ叩ク甲高イ音ガ微カニ聞コエ―――
胸の奥が痛い程切ない気持ちになる―――あの、赤い世界。
『カノ悪魔ガ立ツハ無限ノ剣ガ突キ立チシ枯レ果テタ大地―――世界ノ終ワリヲ予見サセシ赤キ空ニハ歯車ガ回リ―――彼方カラハ鉄ヲ鍛エシ音ガ響ク―――』
ゾクリ、と背筋が粟立ち、両手で自分の身体を抱きしめる。
視線を上に、隣に座る士郎へ。垂れた髪の隙間から見える士郎は、難しい顔をして考え込んでいる。
“聖戦”について考えているのだろうか? それとも、聖下が頼んできたもう一つの頼み事について?
それとも―――
『―――急ゲ―――世界ガ悪魔ニ壊サレル前ニ―――』
「―――違うよ、ね……シロウ」
“無限の剣”“赤く世界”“荒野”―――それは、各国の上層部、その更に一部にだけ伝わるとある人物に関する情報。それは別に厳重に管理された秘密等ではなく。逆に少し調べれば誰にでも手に入る程度の情報だった。
ただ、その情報を知る者たちを決定的に分けることが一つだけある。
それは、その情報が真実であることを知っているかどうかだ。
数ヶ月前、とある戦争で七万の軍勢を一人で打ち破った男がいた。
勝ち戦の途中、突然の味方の反乱を切っ掛けに敗走し、追い詰められた味方を救うため、一人の男が迫る七万の軍勢に立ちふさがり、これを撤退に追いやった奇跡。
不可
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