暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン ≪黒死病の叙事詩≫
≪アインクラッド篇≫
第一層 偏屈な強さ
ソードアートの登竜門 その肆
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ゴには沈黙が続いた。俺はこの沈黙が会話の終了を意味するのかと思ったが、インディゴの声で推測は否定された。

「私、ディアベルはベータテスターを憎んでいないと思うよ。むしろ、このことについてはもっとキッチリ会議してハキリさせてベータテスターを救おうと思っていると、私は思う」
「……? 随分と肩を持つねぇ。まぁ俺よりも君のほうがディアベルには詳しいんだろうけどさ」

 そこまで言うとディアベルの声が広場に響いた。話を聞かれたのかと一瞬ドキリとしたが、内容はただの社交辞令のようなものだった。

「えっと、じゃあキバオウさん以外にも意見とか質問とかある人いるかな? と言っても戦術的なことはまだ何も分かんないんだけどさ」

 その言葉で、ふと聞きたいことを思いついた。ある種これは大事なことではないかと思い、手を挙げる。

「はい!そこの人、意見の前に一応名乗ってもらいたいな」

 俺はそれを受けて座った姿勢のまま言いたかったことを述べようとする。しかし中々度胸いるなコレ。慣れているとはいえ、俺の味方がインディゴぐらいしかいない今では皆の視線が痛い。

「俺の名前はスバル。意見というほどじゃないんだけど、できればこのレイドのサブリーダーをひとりだけ決めて欲しい。ディアベルさんとパーティーリーダーだけでもいいけど、もしもディアベルさんが統率できない状態……たとえば長い時間ウィスパーしかできないような状態になったりだとか、そういう時にパーティーリーダーで意見が別れたり責任の押し付け合いになったりするのを避けるためにも、もう一人責任のある役職持ちを決めてもらいたい」

 そこまで俺が言うと、ディアベルは考えるように自分の拳にアゴを置いてゆっくりと返答した。

「うん、確かに不測の事態にたいしてはどれだけ手を打っても足りないぐらいだよね。サブリーダーが必要なのは分かったよ。でもサブリーダーは誰がいいと思う? ここは立案者でもあるスバルさんが適任かな?」

 そう言って紫色の後光を受けたにこやかな笑顔でこちらを見る。しかしこれも社交辞令だろう。俺はあらかじめ用意しておいて言葉で返した。

「それはディアベルさんに決めてもらいたいな。なんだかんだ言ってディアベルさんの呼びかけでこれだけの人数が集まったんだからディアベルさんが信頼の置ける人をサブリーダーにしてもらったほうが、現段階では一番いいと思う」
「……うん、そうだね。そういってくれると嬉しいよ! でも、俺としてはやっぱり立候補者を優先したいな。だれか立候補者はいるかな?」

 ディアベルの張った声は薄暗くなってきたトールバーナの広場全域に届いたのだが、インディゴも含め誰も名乗りあげる者はいなかった。責任職には就きたくない、というのもあるだろうが俺の意見どおりディアベル寄りの人
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