サーヴァント
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セイバーの言葉に慎二のサーヴァントは鼻で笑った。
「生憎私にはそんなプライドなんてもんは存在しないんでねぇ。アンタがなんで慎二の言葉にムキになるかは分からないけど、ただ言えるのが…」
サーヴァントはもう一つの銃をセイバーに向ける。しかし、セイバーには下手な攻撃はまるで意味を成さない。撃つだけ無駄なのは分かるのだが、まだ油断はできない。相手だって訳もなく銃を構えたりしないのだから。
「全力でアンタを潰さないことには先が危ないんだよぉ!」
相手のサーヴァントは引き金を引き、弾丸を何発も放つ。セイバーはその弾丸を避ける事なく全て受け、突っ込む。カンカン!!と甲冑が弾を弾き、距離を詰めて行く。
既に目と鼻の先の所までにまでサーヴァントはいた。このままセイバーが間合いを詰めれば間違いなく倒せる、そう確信した時だった。サーヴァントから不敵な笑みが零れる。
それを見た瞬間、俺は悟った。
「セイバー罠だ!!」
「ッ!?」
瞬間、サーヴァントの後ろの空間から大砲のような物が二つ、対をなすように現れた。大砲から漂う圧迫感は見てるこっちにも伝わり、あの砲撃に当たったらヤバイと俺でも直感した。
ドォォンドォォン!!と二発の砲弾がセイバーを襲う。
着弾時の轟音が鳴り響き、軽い地震が起こったかと錯覚するぐらいに揺れる。粉塵が舞い、突風が吹き荒れ、俺から視界を奪った。ちょっとした嵐の中にいるような感覚だった。
少しすると、風は止み、揺れも収まった。俺はゆっくりと目を開け、目の前の惨状を目撃する。セイバーがいた場所には粉塵が巻き起こり、その周りにはクレーターが出来上がっていた。
どれだけの威力があったかは一目瞭然だ。あれだけの攻撃を受けてはいくらセイバーの甲冑があったとしても無事な訳ない。
「セイバー!!」
呼びかけてみるも返ってくるのは静寂だった。急に言い知れぬ不安が押し寄せて来た。気づけば、慎二が煙の中から現れ、侮蔑な笑みで俺を見ている。
「なんだ、お前のサーヴァント弱いじゃないか!これで勝つつもりだったの?もう少しマシな腕になってから来るんだな!え?何か言ってみろよ!」
神経が逆なでされるかのように慎二の言葉が癪に障った。俺の事はどうでも良い。しかし、頑張って戦ってくれたセイバーを侮辱するのは許せない。
気づいた時には拳が無意識の内に握られ、フツフツと湧き上がる怒りが爆発しそうになっていた。今俺はどんな表情をしているのか…少し気になったがきっとひどい表情なのだろう。
とにかく、慎二に一発殴ってやらないと気がすまない。セイバーのためにも、俺のためにも。俺は拳を構え、慎二の方へと走りだそうとする。
その時、
「ふん、舐められたものだなァ」
声が聞こえると同時
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