5話
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る。
そう呟いて後ろを睨むと其処には冷や汗を流しながらも何時もの爽やかな笑顔を浮べていた木場の姿が有った。……取り合えず、何か言いたそうだが『黙れ』と命令しているのを守って黙っている一誠は無視しつつ、
「まあ、断ってもしつこいだろうから、さっさと行って用件を聞いた方が良いと思ったんだ。……悪いな」
「……う、うん」
勝手に決めた事を誤りつつ手を繋いで教室から出て行く。……その現状に顔が赤くなる二人だったが、四季は改めて正面に居る木場へと視線を向け、
「……何処に行くか知ってるけど、さっさと案内して貰えるか?」
「そうだね、それじゃあ行こうか。……オカルト研究部へ」
「ここだよ」
旧校舎の中に着いた四季達は一つの部屋の前に案内される。中へと通されると其処には至る所に魔法陣の様な幾何学模様が書かれた部屋だった。……まあ、彼女達が本物の悪魔だと知っている者にすれば、それらの魔法陣の中には幾つか“本物”も混ざっているのだろう。
『オカルト研究部』、そう書かれた部屋の中に通されると、
「おおっ! あれは学園のマスコット、一年の搭城小猫ちゃんじゃないか!」
「……一回……喋ったな」
「あっ」
「二回目だ……今日は精々余生を楽しむんだな」
低い声音で告げられる言葉に顔を真っ青にする一誠だが、それらを無視して軽く小猫へと会釈する。……一応、グレモリーの眷属と言う点以外では思うところも無い相手なので敵意はない相手だ。
……まあ、現状でグレモリー眷属で思う所が有るのはリアスだけだが……。
(変態もグレモリーの眷属になったんだろうな……)
はっきり言おう……グレモリーの所に所属したくない理由が増えた四季だった。そもそも、四季にとって一度でも詩乃を侮辱した人間は“敵”だ。……そう言う意味では一誠は仲間にはなりたくない。
(何時からなんだろうな……)
そう思うが既に答えは出ている。……あの事件の時からだ。そんな事を思考しながら隣に居る……手を握っている詩乃の横顔を見る。……変態そのものと言う表情を浮べている一誠を呆れた目で見ている。
(うん、可愛い)
彼女を見ているだけで僅かに湧いていた負の感情全てが消えるのを感じる。思えば、アウトレイジの書とも神器とも違う紅き血の力を何処か恐怖していた。……他の相手なら……家族であっても拒絶された所で気にする心算は無い。だが……
(詩乃に拒絶されるのだけは嫌だった……)
だからこそ、力に目覚めて以来……何度も告白したいと思っていたが、一度も告白できずに終っていた。誰かに邪魔されたのではなく、怖がっていただけだ……拒絶されるかもしれないと思うのが。
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