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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos48父の夢/娘たちの願い〜Florian family's Dream〜
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の」
「どれくらいになるでしょうか。もう何百年と前から、エルトリアという星そのものが死んでいっているんです。死に蝕ばれると書いて死蝕という現象によって。その死蝕によって、水や大地の腐敗が起きているんです」
「厄介なのは、飛び石みたいに自然発生すること。発生地点も予測できなくて。生物や自然が生きられないような場所になっていく」
ここでクロノが「君たちのような人が生まれる時代だ。他の世界――星に移住などは出来ないのか?」と訊いた。すると「もちろん、他の惑星に移住を始めている人は居ます」とアミティエが答える。それでもなお、砕け得ぬ闇を求めて過去へやってくる理由とはなんだ。
「80年くらいほど前から、それまで死蝕から逃れながら生きてきた人たちも、安全な星に移住を始めた。みんなエルトリアを離れて行ってる」
「試算的に見れば、あと2世代以内でエルトリアから人が居なくなります。いまエルトリアに残っている人たちは、エルトリアで生まれて、その大地が本当に好きな・・・。私とキリエの父――フローリアン博士は、死蝕に侵されたエルトリアを直して、以前のように綺麗な世界に戻す、そのための研究や対策を続けていました」
「わたし達は、その研究・対策の実験過程で生まれた死蝕地帯の復旧機材で、自動作業機械ギアーズと言うの」
元は復旧用の機体だったのか。その戦闘能力からしてガッツリ戦闘用機体と思っていたんだが。いや、俺とシェフィの子供である“戦天使ヴァルキリー”もまた、戦後は復旧作業機体として働いていたから変でもないか。
「でも博士って、どこか抜けているというか、失敗が多い人だった」
「ええ。普及型ギアーズの試作機として生み出された私とキリエの、人格形成システムを作り込み過ぎてしまったそうで。そのこともあって私たちを単なる機械として扱うべきではない、と」
「だからわたし達は、普通の人と同じように、温かく、優しく、大事に育ててもらったの」
本当にフローリアン博士のことを慕っているんだと、彼女たちの声色や表情で痛いほど伝わってくる。フローリアン博士か。一度でいいからお会いしたいものだな、シェフィと一緒に。そしてフローリアン姉妹や、うちの“ヴァルキリー”を交えて語らい合いたいものだ。だから思わず「素敵な父親なんだな」と漏らしてしまった。
「もちろんよ。博士以上に素敵なお父さんなんて居ないわ」
「ありがとう、ルシリオン君。・・・私たちの弟や妹たち――私やキリエの後に博士が生み出したギアーズは、私たちみたいな体も心も持ってはいないけど、それでもエルトリアを侵し続ける死蝕を食い止めるという任務のために、今も一生懸命頑張ってくれているんです」
「わたし達の計算からして、あと数年で成果が出始めるって出たのよ。博士が人生を懸けた夢
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