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第一章
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「だから別に見るとか言ってないだろ」
「そうなの」
「何時言ったよ」
 浩二もムキになっていた。
「全く」
「ならいいけれどさ」
 真里もそれを受けて言う。
「じゃあとりあえず今日はチョコレートパンね」
「ああ、負けないからな、次は」
「それはこっちの台詞よ。またやるのね」
「ああ」
「じゃあ楽しみにしてるからね、パン」
「今度は俺が勝つからな」
 そんなやり取りをして教室に帰っていく。いつも二人はこうして勝負に明け暮れていた。そのことは学校の誰もが知っていることであった。


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