1部
11話
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ん、ますますヒジリがお嬢様だって分かったよ」
「だから、お嬢様というのは語弊が……む、そろそろリーの方も終わりそうだな」
「せめて、そういうのはリーの方を向いて言ってもらえる?真後ろの光景をさも普通に言い当てられると、白眼を知ってても割と怖いから」
「む、善処しよう」
私の眼は普通の白眼より燃費がいいのか、ほぼ常に能力を使っていられるのでつい普通の視界というのを忘れてしまうのだ。今後はもう少し使用を控えた方がいいのかもしれんな。
「ありがとうございました!!」
「うむ、次は誰だ?」
「それじゃあ、次は俺が」
ネジはリーと交代してガイ先生と相対する。さて、日向の柔拳の正当後継者とも言える技量の持ち主のネジが、一体どこまで通用するか見ものだ。
とはいえ前情報を得ての戦いというのはこういった手合わせに関して、あまり好みではないのだが今回ばかりは諦めるとしよう。
「じゃあさ、ヒジリはネジとガイ先生の戦いはどう見るの?」
「そうだな……ネジは私達の世代においては最も正しく日向の柔拳を極めていると言ってもいい男だ。ガイ先生が高速での移動を行わない限り、恐らくはそれなりに戦えるだろう」
「……最もですか?ヒジリさん、ネジはあなたの方が強いと言っていましたが……」
「確かに、戦えば私の方が強い。だが、私の柔拳はある意味で邪道とも言えるものでな。端的に言えば私の柔拳は人体破壊にのみ特化した物で、ネジの扱う柔拳と違い完全な手抜きか即死かしか選べないのだ。
そういう意味ではネジの柔拳の方が有用ではあるな」
そもそも私が覚えたのが既に完成された親父殿の動きで、そこから発展させるとなると威力を上げて殺傷力を高める方向性に変えるしかないないだろう?
「そうなんだ……ヒジリと手合わせは控えとこ」
「だから君は私をどんな扱いにしたいんだ?」
「そ、それでは今の僕とネジはどちらが強いと「ネジだ」……そ、即答ですか」
「当然だ、あれは俗に言われる天才なのだ。その上であれは才に胡座をかくことなく、一切の努力を怠っていない。
君の努力には敬意を払うがネジも並以上の努力を払い続けている、君はそれを忘れてはならない。そもそも、世に言う天才とは才を努力で磨いた者を言うのだからな。
私は君に才があるとは言ったが、その才は並の才よりも磨かなければ輝かない物だ。ネジに勝ちたくば年単位の努力を払い続け、その才を輝かせたまえよ」
「は、はい……僕が甘かったです」
「ふむ、とはいえ以前同様こうして君にこのような言い方で終わらせるのは問題だろう。なので、君に心が挫けそうな時に心を奮い立たせる言葉を送るとしよう。努力が報われぬと感じた時は心の中で呟きたまえよ」
そこで私は一旦言葉を切って、リーの瞳を見る。
「凡庸であるのならば数をこなせ、
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