第四章
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。
それは饅頭だった。あの時祖母が教えてくれた饅頭だった。それが少しずつできてきたのだった。しかもそれだけではなかった。
そうしてこれまた自然にだった。指が勝手に黒砂糖を握っていた。
「えっ、指が勝手に」
「身体も勝手に動いてるやん」
また祖母が後ろから言う。
「ええ具合に」
「これ何でなんや?」
昌美は顔を顰めさせて言うのだった。
「身体が勝手に動いてるやん」
「それは当たり前や」
ここでまた祖母が述べた。
「あの時教えたからや」
「あの時ってそやから十年以上前やん」
このことをどうしても言わずにはいられなかった。
「それで何でわかるんや。こんなん」
「うちがあんたに教えたんは一回やったか?」
「一回って?」
「覚えてるのには訳があるんや」
微笑んでまた述べる祖母であった。
「うちはあんたに何回も教えたんやで」
「子供の頃に?」
「そや。白砂糖とは別に教え込んでいたんや」
ここで種明かしをはじめてきた。
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