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アラガミになった訳だが……どうしよう
夫になった訳だが……どうしよう?
60話
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すか?」
「そう言われても、ジルの方が雑魚相手なら速いだろ?だから、この手の任務にしたんだが……お前には荷が重かったか?」
その言葉を言い終わらない内に、俺の正面にいたザイゴート達が五匹同時にコアを撃ち抜かれ墜落した。
彼女に視線を向けると彼女のアラガミの腕の指五本から水が滴っており、その指一本一本が先程までアラガミがいた場所に向けられていた。
どうやら、彼女のアラガミの能力であったウォーターカッターは彼女の指一本一本に備わっているようだな。
「お父様、その言葉をすぐに撤回させて貰いますよ?」
以前から感じていたが、ジルは煽られる事に対して耐性が非常に低いのだ。だから、彼女に何かをさせる時は押すのでは無く引くことを意識するのがいい。
その効果はテキメンでご覧の通り、槍片手にウォーターカッターを撃ちまくってアラガミ相手に一方的な殲滅を一人で行っている。
「マキナさん、ジルちゃんってある意味分かり易い性格なんすね……」
「ああ、ただああでもしなきゃ言うことを聞いてくれないのは少し面倒だが、その辺りはそういう性格なんだから仕方ないと考えてる」
「でも、放っておいてもいいんですか?」
「んージルの隙をカバーする程度の支援で俺らは十分だろう。あいつの技量やらは第一線でも問題ない位にはあるし、そこそこの場数も踏んでる。そうそう心配もない」
「えー……じゃあ何でわざわざ任務を受けたんです?」
「ん?社会見学的なものだ」
そんな話をコウタとしている内に、ジルは群れを粗方狩り尽くしたようだ。
そして彼女は槍を構えると食事中だったであろう、随分先の建物の影にちらりと見える地面に座り込んでいたコンゴウの後頭部目掛けて、アラガミの腕を思い切り振りかぶり槍投げの要領で投げた。
突き刺さった槍は即座に内部の棘を展開し、コンゴウの息の根を止める。
「うわっ痛そう」
コウタは横でそんな感想を漏らしつつ、ジルの周囲のアラガミを撃ち落とす。
そんな事を繰り返している内に討伐対象であったコンゴウとシユウはそう時間をかけない内に殲滅を終え、最後に周辺にアラガミが残っていないかを確認するだけとなった。




「お父様、少しよろしいですか?」
「ん?どうした?」
最後に一番大きな寺の本堂に入った時にジルが何かを持ってきた。
「いえ、私の勘違いかもしれないのですが……これはもしかすると新種のアラガミの破片か何かではないでしょうか?」
ジルはそう言って俺に真っ黒な羽のような物を手渡した。
ふむ……普通の羽のじゃなくてオラクル細胞のようだな。
俺もイザナミ程では何にしろ、いい加減アラガミの感覚とでも言うものに関して理解が及ぶようになったのだ。だから、一目すればそれがオラクル細胞かそうでないか位は見分けがつく。
そし
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