暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第九十話 本人の知らぬ間に厄介事は忍び寄る
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ないのだから研究などは片手間で行い、強固な戦力として利用できるように正規局員に入れることを考えればよいと言う者。
 と色々と意見はあるが、士郎を管理局から手放すことはタカ派としても回避したい。

 ちなみにハト派は管理外の世界の住人なのだから、戦力や研究協力してもらうに越したことはないが、所詮は本人の意識しだいだろうという意見にほとんどがまとまっており、タカ派よりは意見が絞られている状態だったりする。

 そして、嘱託ながら所属した魔術師と、魔術師と親しい大きな功績を挙げた親子がいる。

 結果としてタカ派のとった行動は

「児童保護局からの通達をこれまでの行動と功績より心配なしと判断し、棄却。
 以後、魔術師、衛宮士郎が所有する第九十七管理外世界の住居にプレシア・テスタロッサ研究員、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン嘱託魔導師の両名が生活することに管理局として口出ししない事を約束する」

 士郎に対するご機嫌取りと考えられるものだった。

 タカ派としては嘱託魔導師では物足りないが、ここでさらに強要しこの話自体がなくなりでもすれば余計厄介になる。
 さらにフェイトとプレシアの活躍はかなり広まっており士郎の知り合いということで圧力をかけるとハト派に付く者が増える可能性すらある。

「喜ばしいことですが、ずいぶんとフェイト達を振り回しますね」
「その事は私としても申し訳なく思うよ」

 だがあくまでそれは管理局側の意向であり、振り回されるほうとしてはいい迷惑だ。
 そのことに呆れるようにため息を吐いてみせる士郎。

 しかし同時に大きな組織だと派閥闘争などいくらでも存在するのも事実。
 実際に魔術協会でも派閥などがいくつもあり、辟易とした記憶が士郎にもある。

「リンディさんを呼んだのは養子の関係ですか」
「二人が離れないで良いように打った手なのだろうが、書類上の手続きは必要だからね」

 再びため息を吐きながら、そういえばフェイト達の反応がないと思いテスタロッサ家に士郎が視線を向ける。

 何を言われるのか不安だったのだろう、安堵しているフェイトだが、同時に困惑の表情をわずかに浮かべていた。

(フェイトの性格だ。養子にしてもらって母さんと呼んでいたこともあるから戸惑っているのと、これからの事といったところか)

 とはいえこのままクラウンの執務室で話をするわけにもいかないので

「呼び出した用件は以上ですか?」
「ああ、以上だ。
 忙しい合間に時間をもらって悪かったね」
「いえ、では失礼します」

 士郎とクラウンの言葉にリンディとプレシア、わずかに遅れてフェイトとアルフも立ち上がる。

 その時

「フェイトさん」
「は、はい」

 クラウンがフェイトを呼び
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