”狩人”フリアグネ編
終章 「断罪」
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年と握手を交わす。
握手もこれが初めてか、と少年は思ったがわざわざいうのも無粋だろうと何も言わない事にした。
まだ、お互いの事をそれほど知っている訳ではない。だが、共に戦い握手を交わせる間柄は紛れもない戦友だった。拠り所のないこの世界で、それは小さいが確かな証といえる。
そうして、手を離そうとすると士郎はするが、尋常ならざる握力が彼の手をガッチリと固定していた。
「痛いってシャナ! そこまでガッチリと握る必要もないだろ」
「一応、士郎のためを思って力を入れてるんだけど」
どういう意味だよ、と少年は少女に問う。
「さあね。それじゃ、いくわよ士郎」
「行くってまさ――――っ!?」
まさか、と言い終える事は出来なかった。
少女は手を握ったまま、助走を付けて士郎を引っ張ってビルの外に飛び出す。
眼下に広がるは闇夜の市街地。住宅の灯り、そこに生きる生命の輝きが、大海に映る星空を連想させる。
少女に手を引かれ、少年は海へ、いや夜へと飛び込んでいく。
嵐のような1日が終わろうとしていた。
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