暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
終章 「断罪」
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「良い――、んだ。何か――、話し――――てる方、が――、気が楽――、だから」
 少女が言い終える前に少年はその言葉を遮る。
 目線をフリアグネに向け、会話を続けよう、と士郎は目で語り掛ける。
「悪を救う正義の味方なんて、おかしいだろう。僕が君にいつ助けろと言ったんだ」
 望んでもいない正義の押し売りなんて迷惑だ、とフリアグネは続ける。
「――かもな。偽善、――だって、分かっ――てる。でも、俺は――、誰かを救って――誰かを、救わな――いなんて、認めな――い。それに―――、だ」
 強い意思を秘めた瞳で士郎はフリアグネを睨みつける。
「楽に――、死ねると、思うな――よ。お前――、は、これか――ら、愛する者――、にも会えず、多くの、人を殺した罪を背負って――、生きるんだ。死んで――、楽になろうなんて、俺が――――許さない」
 言い終えると、少年は再び咳き込む。少年の命が今にも尽きそうなことは、誰が見てもすぐに分かる状況だった。
「それが、君が僕に下す断罪か」
「そう――、だ」
 フリアグネは少女とペンダントを一度見て、再び少年の方を見る。
「それは、ただ死ぬよりもよっぽど苦しいことだね。でも、僕がその通りに生きると思うのかい?」
「コイツ――――っ!」
 フリアグネの言葉に少女が身構える。大太刀を失い、ある程度の回復をしているとはいえ、満身創痍に変わりはない。
「生き――、させるさ。俺が――居なくても、偉大な、――――フレイムヘイズがいるから――、な」
 そうだろ、と少年は少女を見て続ける。
「ふっ、我ら紅世の徒に贖罪の生を生きろとはな。良いだろう、衛宮士郎。お前が消えたならばその願い、この天壌の劫火アラストールが聞き届けよう。よいな?」
 アラストールはシャナに問う。
「ふん、討滅してしまった方が楽だけど。アラストールがそういうのなら、お前の言う事を聞いてもいいわ」
 あくまでアラストールが言ったからよ、とぷいっと首を振り、フリアグネを少女は睨みつける。
「そこまで用心しなくても良い。狩人……いや、このフリアグネの名に誓ってそんな事はしない。今、この瞬間を持って狩人なんて名前は捨てて、ただのフリアグネとして罪を償って行く事にするよ」
 そう言って、フリアグネはは右手に持っていたフレイムヘイズ殺し『トリガーハッピー』を焼き潰す。
 炎の熱もあってか、それとも持ち主の意思がそうしたのか、古風な拳銃はパーツを1つもこの世に残さず、永遠に消滅した。
「これからはこの街で、僕がトーチにしてしまった人間達。その一人一人の最期を見届けようと思う。それから先は………、その時に考えるよ」
「信用できないわね……」
 キッと少女はフリアグネを睨みつけ、言う。
「信じろ、とは言えない。それに、マリアンヌの居ないこの世界には、僕
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