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【完結】剣製の魔法少女戦記
第六章 正義の在り処編
第百八十三話  『黒幕、現る』
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リオンはその聞こえてきた声に思わず体を強張らせる。
なぜそこまで脅えてしまうのか………。
それでリオンは脅えながらも眼鏡に指がいくのはさすがだろう。

「リオン? なんだい、そんなに脅えてしまって〜………管理局の犬を倒したんだよ? もっと喜んだらどうだいッ!」

男は下卑た笑みを浮かべながらリオンに近づいてくる。

「モ、モリアさん………」

リオンに『モリア』と呼ばれたその男の姿は白衣を上に着ていて下にはなにやら鍛えているのだろうか…服がパンパンになっている。
太っているわけでもなく痩せているでもないそんな体型。
髪色は銀色でぼさぼさであり、瞳は赤。肌の色は少し白いので不健康そうに見えたりもする。

「リ〜オ〜ン? この二人を倒したことは評価してあげようか。だがね…俺様は少し気に入らないことがある。わかるかい? ええッ!?」
「ひっ!?」

下卑た笑みから急に表情を変えて狂気とでも言うように目を見開いてリオンにモリアは叫ぶ。
それに対してリオンはずっと脅え眼のままである。
モリアは脅えてしまっていて声もまともに出せない状態をいいように利用しようと考えたのだろう、誰が聞いているわけでもなく説明しだし始めた。

「ああ、リオン。俺様の()()()中では出来損ないながらも傑作の部類に入る少女。
お前はなぜ今回の戦いで予知能力と()()()を使わなかったのかね?」
「そ、それは………ッ!」
「俺様は確実にこいつらの息の根を止めろと命令したよなぁ!?」

静かに怒り出してからいきなり激昂したりと忙しい男である。
しかしそれでリオンはまた脅えてしまい黙り込んでしまった。
それを見てモリアは少し熱が冷めたのか冷えた表情になり、

「あー、あー………やっぱりお前じゃ無理かぁ。出来損ないのお前じゃなぁ〜」
「ッ………!」

『出来損ない』という言葉に反応してリオンはモリアに対して反抗的な目つきをしてしまう。
だがそれがモリアの癪に触ってしまったのか、

「………なんだい、その目つきは? 反抗的だねぇ〜。いけないねぇ〜。でもー、そんなに反抗的な目ができるならまだ芽はあるのかね? そうだ! 俺様閃いたぞ!」

モリアは急に笑顔になり手を叩くとリオンに向かってある命令をする。

「リオーン、命令だ。最後のチャンスとして今度こそこいつらをこの場で殺せ!」
「ッ!!」
「できるだろう? お前ならねぇ。さもなくば………」

そう言ってモリアはその手になにか光るものを出して、それを指で挟んで『ギュッ』と握る。
それに呼応してリオンは胸を抑えて少しばかり苦しむ仕草をし始める。

「う、っう………」
「わかっているだろう。お前は俺様には逆らえない
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