第5話 士郎「が」歩けばフラグに当たる
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」
「は、はぃいい!!?」
そのまま一人はモブDを塵バケツから取り出し残り二人と立ち去ろうとする。
「後!次に俺の視界で似たようなことを見かけたら・・・・・・・わかってるな・・!!」
今度は殺気を僅かに込めて3人に向けると、怯えた声を出しながらひたすらに逃げていった。
そんなモブ共の後ろ姿を見送っ手からスグに千花に向き直る。
「大丈夫だったか?」
「・・・・え?」
「あっ、もしかして怪我でもしているか?」
「あっ、いえ、その・・・大丈夫です」
自分を追い回していた奴らが去ったとはいえ、急に自分に向き直り話しかけられたものだから、直には反応できなかったがなんとか持ち直せたようだ。
「立てるか?」
「あっ、はい、大じょ、痛っ!?」
先程の光景に圧倒されていたので座り込んでいた自分を手に取って、優しく立ち上がらせようとしてくれる目の前の超イケメン年上男性に促されたが、如何やら足を挫いてしまったようだ。
「足をくじいたのか!?」
「あっ、あはは〜、何だかそうみたいです」
「という事は俺とぶつかった時だな、すまない。・・・すまないついでに挫いた方の足を出してくれないか?」
その様に言われた千花は、足を差し出すように見せた。
それを士郎は、懐から塗り薬が入っている小ケースを取り出し(←いつも持ち歩いてるのかよ!?)彼女の挫いた患部に塗り込んでいく。
それから、負担を掛けさせないために医療テープも取り出し患部に巻き付けていく。
「これでいいと思うが、あまり負担をかけない方がいいだろう」
「あっ、ありがとうございます」
「しかし、弱ったな。このまま歩かせるわけにもいかないか・・・よし、ちょっといいかな?」
「はい?てっ!きゃっ!?」
千花の反応の問いに答える前に士郎は、何の躊躇も無く彼女をお姫様抱っこをした。
「えぇ!?あ、あのっ!?」
「不快かもしれないが、我慢してくれるか?これぐらいしか手が思いつかなかったんだ」
「え、いえ、む、むしろラッキーです(←最後の方は小声)」
視力ほどではないが、耳がとんでもなくいい士郎ではあったが、そう言う星の下に生まれてきたのか最後の方の千花の言葉を聞き逃した。
「確か仲見世通りの和菓子屋だったか。それじゃあ、出来るだけ怖い思いさせないようにするが、こ解ったら遠慮なく捕まっていてくれ」
「え?きゃっ!」
またしても千花の返答を待たずに行動に移す士郎。
路地裏から建物の屋上に一気に跳躍してから、仲見世通りの和菓子屋を目指して屋上や屋根を伝い一気にかけていく。
その間、千花は士郎の顔をじっと見つめて内心で不幸中の幸いだわ!と思っていた。
−I
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