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藤村士郎が征く
第5話 士郎「が」歩けばフラグに当たる
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こには容姿が暗くてわからぬが一人の長身の男が立っていた。

 「あっ・・・ああっ・・」

 この男も奴らの仲間なのだろうと思い、これから自分が奴らに何をされるのかと直に思考出来てしまったため、体を震わせることしかできなかった。
 だが――――。

 「大丈夫か?君」
 「・・・・え?」

 目の前の長身の男は、私の身を案じてくれるばかりか優しく立たせてくれた。
 そこへ後ろから追いついてきた3人組のモブA・B・Cが追いついてきた。

 「おいっ、なんだよてめぇ」
 「そこの嬢ちゃんは俺らとの先約が有んだよぉ」
 「雑魚は失せてろよぉ、ゲヘヘヘ」

 と後ろからやられやく3人衆が来て何かを呻いている。
 だが千花達(正確には目の前の男だが)は取り合おうとせず、自分たちだけで話を進めていた。

 「その学生服からして川神学園の女子生徒か。こんな時間まで遊びほうけるなんて・・もう少し自重するべきだぞ」
 「え?あっ、は、はい・・」

 男は千花の後方に居る、喚き声が気になりつつも目の前の男性の説教を聞いていた。

 「とにかくもうこんな時間帯だ。送っていくから、もう帰んなさい」
 「え?」
 「おいっ!てめぇ、さっきからむししてんじゃねぇぞぉ!!」
 「先約は俺らにあるって言ってんだろうがぁ!」
 「つかよぉ、ここで俺らに逆らってみろぉ。プロボクサーの西山さんに言いつけんぞぉ!」
 「それで住所と名前は?」

 下種共のわめきに一切の我関せずを貫く目の前の男性にもしかしてこの人強いのかなぁと思う千花。
 川神周辺は武家の血を引く者達も多いのでおかしい話では無い。

 「聞いてんのかテメェ!」
 「もう許さねぇ!」
 「殺す殺す殺す・・」
 「お前ら何やってんだよ?」
 「――――え?あっ、西山さん!?」

 そこにモブDが加わる。

 「聞いてくださいよぉ、西山さん!」
 「あの調子乗っている野郎が、俺らの得物を横取りしていったんですよぉ」
 「ほぉー」

 モブDは男を一瞥した後に千花を下から上を舐めるように目利きして、悪くねぇなと呟く。

 「おいっ、そこの。見逃してやるからとっとと消えな。勿論そこの嬢ちゃんを残してな」

 西山と言う男の後ろから、下卑た笑いを浮かべるナントか3人組。
 地下から見てもこの後から来た西山と言う男、同じクラスに居る島津よりもかなり筋肉質っぽく、私はまた怖くなってきた。
 しかし――――。

 「おい、そこのさっきから負け犬語を喚いている奴ら、飼い主が来たんならとっとと帰れ。見逃してやるから。――――それで君のお家は何所だい?」

 相当強そうな人が来たにも拘らず、相変わらずちゃんと相手をしない男性。

 「ああ゛
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