暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth16反撃開始・イリュリアを打ち砕け〜CounterAttackerS〜
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クれすっ!」

思いっきり噛みまくっちゃってるけど、それでも自己紹介して、なんとか握手に応じる事が出来た。オリヴィエ様の手は思っていた以上に小さくて幼くて。だからか一気に冷静になれた。

「落ち着いて下さい、エリーゼ卿」

微笑みかけて下さるオリヴィエ様に、「ありがとうございます。もう大丈夫です」と握っている手に少し力を込める。するとオリヴィエ様もキュッと力を込めてしっかり握り返してくれた。あぁわたし、嬉しさのあまり気を失っちゃいそう。こんな状況だというのに夢心地に浸っていると、

「エ、エリーゼ卿! 鼻血が・・・!」

「え? ああ! 申し訳ありませんっ。大変お見苦しいものを!」

オリヴィエ様を遠目で見れただけでも幸せな事なのに、お声を掛けて下さって、その上握手まで。冷静になれたって勘違い。興奮しすぎて鼻血が出てしまったよう。急いでハンカチで拭う。その間、オリヴィエ様はまったく頬笑みを崩すことなく、わたしを待っていて下さった。なんとか鼻血を止めて今の不虞について謝罪すると、オリヴィエ様は「お気になさらずに」と許して下さった。

「ふふ。・・・・オーディン先生の目的はすでに聞き及んでいますが、貴女のような可愛らしい方がいらっしゃるのに、何もベルカを去らずともいいと思うのですけどね・・・」

「え・・・?」

オリヴィエ様は今なんと仰ったの? オーディンさんがベルカを去る? そんな話、聴いてない。「あ、あの・・・今の、どういう・・・?」声が震えているのが判る。

「?? 先の戦で、オーディン先生がお捜ししているエグリゴリがイリュリアの技術部を利用し、エグリゴリの複製品を製造していると判明したそうで。今回のイリュリア侵攻で、出来うる事なら決着をつけるつもりなのかと」

わたし、何も知らなかった。“エグリゴリ”。オーディンさんがベルカに訪れた理由。そしてわたしと出逢う事になったきっかけ。その“エグリゴリ”の尻尾を捕まえた。どうしよう・・・オーディンさん、居なくなっちゃう・・?

「オリヴィエ様っ。お時間がありません。お急ぎ旗艦ローリンゲンへ!」

「判りましたっ。リサ、先に乗艦していなさい!・・・あの、エリーゼ卿?」

「あ・・はい・・・」

頭の中がごちゃごちゃして足元も不安定な感じだけど、オリヴィエ様にはきちんとお応えしないと。返事をすると「ごめんなさい。オーディン先生からすでにお話を窺っているものかと」オリヴィエ様は申し訳なさそうに目を伏せる。今のわたしには「いえ! お気になさらないでください!」としか言えなくて。

「・・・それではエリーゼ卿。私はこれで失礼しますね」

踵を返して、停泊している戦船(ローリンゲンっていう名前みたい)へと向かうオリヴィエ様は「伝え忘れていました」そう立ち止
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