暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth15エリーゼの涙・アムルは燃え朽ちて〜No mercY〜
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雪の結晶ような盾。それに反射鏡の砲弾が着弾――したと同時に一瞬に氷結されて粉砕、小さな氷の破片となって宙に散った。

――カリブルヌス――

遅れて来た巨大な魔力砲。すると氷の盾が少し傾いたのが見えた。魔力砲が着弾。すると空に軌道を変えて消えて行った。オーディンさんは「馬鹿正直に受けるより逸らした方が良いな、やはり」と納得したように頷いてる。
もうイリュリアの砲撃なんて怖くない。そう思ったのに、「・・・・嘘だろ・・・連発してきやがった!!」ヴィータの叫びに、わたし達は戦慄する。同じ砲撃が続けざまに飛来してきた。さすがにオーディンさんも「それは卑怯だろうッ!」そう叫んで、

――女神の護盾(コード・リン)――

――天花護盾(クリュスタッロス・アントス)――

氷の盾が3枚追加されて、そして女性が祈る姿が描かれた盾が4枚、計8枚の盾が空に展開された。「オーディンっ!?」シュリエルさんの悲鳴。空からオーディンさんへと視線を移す。絶句。オーディンさんの顔色は真っ青だった。
それに小さく「またやってしまった」と悔しげに、そして哀しげに呻くのが聞こえた。一瞬で理解する。「マイスターっ、また記憶を失っちゃったんじゃ!?」アギトの悲痛な叫びを聴くと、頭の中がグチャグチャになりそうになる。

「いっつつ・・・。気にするな。私にとってもうひとつの故郷とも言えるアムルを護れるなら――」

7つの砲撃が盾に着弾して、さっきと同じように空へと軌道変更されて消えて行った。

「安い代償だ」

オーディンさんは無理やり笑顔を作ってわたし達を安心させようとしてる。こんな時になんて言えばいいのか判らない。頼ってばっかりで、オーディンさんにだけ辛い思いをさせて・・・・

(こんなわたしに、オーディンさんを好きになる資格なんて・・・きっと無い・・・)

シュリエルさん達も、オーディンさんの負担を減らすために防御を手伝おうって相談し合ってる。少し離れたところで意識を取り戻したみんなの様子を看てるモニカとルファ。それなのにわたしと言えば、泣いて喚いてオロオロうろたえていただけ。本当に嫌になる。

「我が主っ! 戦船ですっ!」

「次から次へと・・・本気で潰しに掛かってきたな、イリュリア・・・!」

「反射砲に艦載砲。さすがに我々だけでは防ぎきれんぞ!」

「オーディンさん、どうしたらいいですかっ!?」

「そ、そうだオーディンっ。前の戦いで召喚した使い魔を出せばいいじゃんっ」

「アンゲルスをか? 今の魔力で行けるか・・・? いや、そんな事を言っている場合じゃないな」

「いくらなんでも無理をし過ぎですオーディンっ」

「そ、そうですっ。最悪、今度の記憶障害で私たちの事を忘れてしまうかもしれないんですよっ」


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