暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth15エリーゼの涙・アムルは燃え朽ちて〜No mercY〜
[13/13]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
途切れる。アンナの艶やかな唇に重ねられたテウタの柔らかい唇。テウタはアンナに口づけをしたのだ。
止まっていた思考が再起動したアンナは「いやっ!」ドンとテウタを突き飛ばし、数歩後ずさって、袖口で口を何度も拭った。次第にアンナの目の端から涙がボロボロ零れ始める。
「あら? 魔力供給が起きないのね。やはり能力者からではないと発動しないのかしら・・・?」
テウタはペロリと自分の唇を舐め、「もしかして初めて? 私も初めてなの」とはじらうようにアンナを見詰める。アンナの瞳に怒りが満ちる。「ふざけるな・・・!」と詰め寄ろうとしてがすぐに思い留まった。感情に任せて暴れれば、テウタを暗殺する機会を失うかもしれないと判断したからだ。しかし、「娘。本当にエリーゼ卿か?」グレゴールが訝しみ始め、アンナは血の気を失った。
「そ、そうですよ・・・!」
か弱さを見せるかのように演じて見せるアンナだったが、グレゴールの疑問に満ちた視線は外れない。
「どうかしたのですか? グレゴール」
「いえ。先程の殺気、エリーゼ卿の側近である娘・・名はアンナだったでしょうか。あの娘と同じもののように思えましたので」
(鋭い・・・! さすがイリュリア最強の騎士・・・)
冷や汗が止まらないアンナ。しばらくグレゴールの視線を受けていたが、「グレゴール。女性をマジマジと見るのは礼に欠けるのではなくて?」とテウタに言われ、「仰るとおりです」グレゴールはようやく引き下がった。
心底安堵したアンナにさらに喜ばしい事が。テウタが「彼女と2人で話がしたいの。あなた達が下がりなさい」グレゴール達に命令を下す。普通、騎士ならば女王から護衛を外すような真似はしない。が、「了解しました」グレゴール達はあっさり了承して去って行った。
(それほどまでにテウタの実力を信頼しているというわけか・・・でも、私は!)
2人きりになり、アンナは一気に気を周囲に巡らせ始める。グレゴールがこの場に居れば、まず間違いなく反応するだろう。しかしテウタは「そう身構えなくても取って食べようとは思いませんから」気にする素振りすら見せず、ついにはアンナに背を向けた。
(今こそ好機!)
テウタを暗殺するために、アンナは・・・・・・・
「はぁぁぁぁああああああああああああッッ!!!!」
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ