第9話〜ケインの受難〜
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レアは真剣な眼差しを向けたまま続ける。
「そしてこれは、私の意向でもあります。貴方の目的を応援することはできませんが、
士官学院を出てからで構いません。どうか戻ってきて下さい」
「・・・了解しました。大尉に教えて頂いた知識を最大限に生かしてみせます!」
「ふふ、そう言えば軍事学や導力学については一通り教えましたね」
「ええ、入試でもさわりぐらいはやりましたけど・・・」
「三位だったんですよね。卒業生として鼻が高いです・・・よく頑張りましたね」
「はい・・・って、どうして俺の成績を把握しているんですか!?しかも、卒業生って・・・」
クレアにしれっと自分の成績を告げられ、ケインは堪らずツッコむ。
「クスクス。そう言えば言っていませんでしたね。私はトールズ士官学院第216期生です。
221期生のケインの5年ほど先輩になるでしょうか。
・・・その後、憲兵隊に所属したころには貴方がいたのですけれど」
「そうでしたね。その後、目覚ましい活躍を遂げられ、短期間で大尉まで上り詰め・・・」
「ふふっ、あれからもう2年は経ちましたか。懐かしいものですね」
「はい、本当に・・・」
その後、暫し談笑してから元締めの奥様が作ってくれた簡素ながらも美味しい昼食をオットーさん共々ご馳走になり、「そろそろ仕事に戻らないと」とクレアが告げたのでお開きになった。ケインとクレアはお礼を述べて、彼らの家を後にする。盗難事件こそ解決したが、憲兵隊の人間を一時的に常駐させるらしい。その連絡等を行うようだ。しばらく名残惜しそうに眉を伏せているクレアを、今度はケインが優しく抱きしめた。
「また、すぐに会えますよ。クレア大尉、どうかお元気で」
「・・・はい。その、最後に一つだけ頼みがあるのですけれど」
「俺にできることならなんでも仰って下さい」
「それでは・・・」
−風見亭−
クレアと別れたケインは、リィンたちにアークスで連絡を取り、宿で互いに情報交換をしつつ、レポートをまとめておくことにした。帰りの列車は午後9時なのでまだ猶予がある。
「情報をまとめると、こんなところだな」
「す、凄い・・・!」
「そなた、字が綺麗なのだな」
「ちょっと意外だったわね」
「意外なのかよ。どんな字を書く奴だと思っていたんだ?」
「はは・・・」
必要な情報をメモ用紙に無駄なく、簡潔にまとめるケイン。時間は十分ぐらいしか経っていない。
「で、このメモを元にして各自、自分の感じたことを書いてくれればいいんじゃないかな?」
「昨日もだったけど、本当に助かるよ。正直、これ以上無いぐらい完璧だと思うが。
ケインは、こういうのが好きだったりするのか?」
「い
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