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魔法薬を好きなように
第21話 ラグドリアン湖での戦い
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アン湖水でなければ、どこまでうまくいったのか。水の威力があがっているから、意図して精神力の消費を抑えることができる。

『ウォーター・ドール』には風のメイジへを4体をつっこませて、相手を取り込んだ。そのうち2体をふっとばされたのは、さすがというところだが、先ほど水流に投げ込んだ魔法薬は、皮膚から浸透する神経性のしびれの効果をもっていて、それがすぐに発揮して、動けなくなったのを確認した。
魔法と魔法薬を併用して戦うのは、魔法衛士隊としては、いわゆる汚い戦い方で、最後の手段としてとってあった方法なのだが、今の俺は単なる軍属なので気にせずにつかえた。

『ウォーター・ドール』の数が減った分を補充をして5体にもどしつつ、サイトが相手をして、うまく足止めができていた火のメイジをとりかこませる。俺は、相手が軍人ではなくとも、軍人の家系なら通じるだろうと思い、

「貴兄に告ぐ。こちらはトリステイン王国 軍属 ジャック・ド・アミアン。投降するならば、貴兄たちの安全は保証する」

これでこちらが、トリステイン王国の軍人だが、軍属というだけで、部隊としては正規任務で動いてはいるわけではない、ところまでは伝わるだろう。ようは、現場の一存で勝手に動いているから、話し合いに応じるというものだ。
相手からしてみれば、襲っておいて、投降しろと言われるのもしゃくだろうが、ロープで身をつつんで戦っていたのは、身元をはっきりさせたくはなかったからだろう。だから、ここで、力の差を見せつけて、話し合いにできるとふんでいたのだが、返ってきた返答は

「ジャック・ド・アミアンって、トリステイン魔法学院にいる、あのジャック?」

「……その声は、キュルケか? こっちは、そのジャックだよ」

相手がなんでキュルケなんだ? とおどろかされた。

「そう、キュルケよ。もう一人はタバサだけど、傷をつけたりしていないわよね!」

「ああ、大丈夫だ。単に、しびれ薬で、身体が動かないとか口が回らない程度だ」

俺は答えつつ『ウォーター・ドール』の魔法をといた。まあ、普段から持ち歩いているのがしびれ薬なのは、相手をつかまえて、尋問をするための準備なのだが、そのあたりはだまっておく。

「なんだよ! お前らだったのかよ!」

サイトはキュルケとの戦で疲れたのか、地面に膝をついた。



相手がタバサとキュルケだとわかると、今晩泊まる予定だった場所で、焚き火をおこなった。タバサのしびれ薬がきれるのは約30分程度、焚き火で肉を焼いている間にルイズが起きだしてきた。ちょうどキュルケが

「ダーリンって強いのね。足止めをされるなんて思わなかったわ」

と言っていた。そんなキュルケにサイトが

「まさか、キュルケに剣を向けることになるなんて思わなかったよ」

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