第二十八話 彼氏彼女の事情2
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見遣ると微かに微笑んだ。
ゼロ「いや、何でもない。少し昔を思い出していた。」
シグマが反乱を起こす前にあったとても優しい過去。
再びあのような穏やかな気持ちでこの雄大な景色を、夕日を見れる日は来るだろうか?
ゼロ「アイリス…」
アイリス「何?ゼロ」
ゼロ「少しは息抜きになったか?」
アイリス「ええ、本当にありがとうゼロ。こんなに素敵な場所に連れてきてもらって、いくらお礼を言っても足りないくらいだわ。」
ゼロ「そうか、まあ…俺にはこれくらいしか出来ないからな」
ゼロは自分の手を見ながら、小さな声で言う。
ゼロ「戦闘用に造られた俺は、エイリア達や他の奴らのように、お前の傍にいてやることが出来ない。」
アイリス「ゼロ…。」
ゼロ「これからもカーネルの代わりにお前を守り続けるつもりだが、この手で物を壊すことは出来ても、物をつくることは出来ないからな…。」
寂しそうに言うゼロに、アイリスはなにも言えなかった。
しかし。
アイリス「でも、ゼロはこんなに綺麗な所に連れてきてくれたわ。それだけじゃ駄目なの?」
ゼロ「?」
アイリス「あなたがいなければ、スペースコロニー事件…いえ、もっともっと前から地球も人類もレプリロイドも滅んでいたわ。だからそんな悲しいことを言わないで。」
ゼロ「そうだな…ありがとうアイリス(俺は戦闘用のレプリロイドだ、それは変えられない事実。それなら俺は、アイリスやエックス達のためにやれることをやればいい。)」
アイリス「いいのよそんな…」
ゼロ「俺は俺に出来ることをやればいい。それでいいんだな…」
アイリス「そうよ、ゼロ…あなたがいてくれるだけでも私は凄く幸せだから…帰りましょう?ゼロ」
手を差し出して来るアイリスにゼロは自身の手を重ねた。
これからも変わることなく世界は回り続けるだろう。
明日にはもしかしたら逃げ出したくなるくらい緊迫するかもしれない。
しかし、そんな中にも得られた物が沢山ある。
だから自分はそういう物のために進み続けよう。
そしてしばらくしてハンターベースから通信が入る。
ゼロは通信に耳を澄ませたが、直ぐに戦士の表情に戻る。
ゼロ「分かった。出撃する」
内容はアイリスにも予想出来る。
ゼロは鋭い視線で言うのだった。
ゼロ「すまんアイリス。イレギュラーが発生した。」
アイリス「分かっているわ、気をつけて」
この先どのような困難が待ち受けていようと、アイリスはゼロの傍に。
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