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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
41.神意の悪意
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冑をまとった騎士の幻影。
その正体を確認する前に唐突に目眩に似た奇妙な浮遊感が襲う。それは空間転送時に身体への副作用だ。
誰かが空間を歪めて、友妃を蛇の攻撃が届かない位置に移動させたのだ。
「大丈夫だったかい、友妃?」
聞き覚えのある声に友妃は驚愕の声を洩らす。快活そうなショートボブに男物のジャケットを着た美少女だった。
「どうして優麻ちゃんがここに!?」
「そんなことより今は逃げるのが先だよ」
地面で気絶している彩斗を仙都木優麻は抱き起こしながら、屋上の下を見下ろしている。
忌々しげな表情を浮かべる金髪の吸血鬼がこちらを睨みつけている。
そして再び、巨大な蛇がこちらへと襲いかかってくる。
「跳ぶよ!」
優麻が友妃の手を握って再び空間転移をする。
「逃がすかッ!」
巨大な蛇が速度を増してこちらへと向かってくる。
転移が間に合わない、と思った瞬間だった。雷光をまとう巨大な獅子が、巨大な蛇へと突進した。
それは世界最強の吸血鬼第四真祖の五番目の眷獣“
獅子の黄金
(
レグルス・アウルム
)
”だ。
空間転移で消える一瞬間に友妃は、第四真祖の少年と剣巫の少女の姿を捉えたのだった。
崩壊しかけている十三号
増設人工島
(
サブフロート
)
に第四真祖の暁古城と獅子王機関の剣巫、姫柊雪菜は降り立った。
この場所でどれほど激しい戦闘が行われたかは、一目見ただけでもわかる。
雷光の獅子が巨大な蛇へと突進する。
荒れ狂う雷の魔力の塊が蛇を焼き焦がす。
古城は、ここまで島を破壊した男と対面する。
金髪の少年は忌々しげにこちらを睨みつけている。
「第四真祖……やはりあそこで始末しておくべきだったか!」
金髪の少年の瞳が真紅に染まっている。最初に会ったときは、その圧倒的な力に恐怖を感じた。だが、今は違う。
「俺にはあんたに負けた借りがあるんだぜ。おまえの目的がなんなのかは知らねーよ」
古城の瞳が真紅に染まる。それは怒りの色だった。
「……それでも、俺の仲間をおまえは傷つけた」
それだけで戦う理由などそれだけでよかったのだ。
難しく考えることなどなかった。
「おまえの計画に彩斗が必要だって言うなら、俺がおまえをぶっ倒してやるよ! ここから先は、
第四真祖
(
オレ
)
の
戦争
(
ケンカ
)
だ──!」
古城がまとう禍々しい覇気に金髪の吸血鬼はさらに忌々しげな表情を浮かべる。
そして古城の右隣には、小柄な影が歩み出た。
銀色の槍を構えた雪菜が、いつものように言い放つ。
「──いいえ、先輩。わたしたちの、です」
目を覚ました彩斗は口内には甘い血の味が残っていた。どこか味わったことがある気が
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