第一章 小問集合(order a la carte)
第六話 命の分水嶺
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昨日の作戦で坂本は40代独身の女性教師の純情?を踏みにじったらしい。
結婚適齢期を過ぎたと自分を卑下し、挙げ句生徒に対して単位を持って脅迫しているような教師は、果たして純情などというものを持っているのかどうか。
そんなこと、僕には何ら関係ない。僕に被害が及ばないのであればなおさら、そのような趣向の女性なのだと理解して差し上げるべきだと僕は思う。
脱線した、朝から吉井君がその女性教師に追いかけ回され、あわやと言うところで近所の30代独身のお兄さんを紹介することで許されたそうだ。
参謀に据えられたからには、こんな作戦も要求されているのかと思うと少し複雑な気分だ。
代表殿の指示で、クラスのみんなと(姫路さんとも)違って西村先生の補充試験を僕はさっきまで解いていった。
クラスでのテストでは午前午後の授業で合計6科目を受けるようだが、隠し玉としてクラスの連中にさえ僕の点数は秘匿するつもりらしい。
補充試験は戦争後のクラスが試験を受け、新たな点数を保持した状態で次の戦争を開始するためのテストのことを言う。
ちなみに戦争中の得点回復のための試験をそのまま回復試験という。
とはいえ、テストを行う教師によって問題や時間制限、採点などが変わってくる。
たとえば歴史の先生であれば問題は易しく制限時間もたっぷりあるのだが、採点がゆっくりなため大量で急に加点をしたい場合には不利になる。
前回の学年主任は全科目を受けさせてもらえるが、問題は超有名大学や難関大学レベルである。
時間制限は一科目50分以下または、合計2時間4時間8時間の四種類から先生の都合にもよるが選ぶことができ、採点は素早い。
問題が難しいほど得点は高く、簡単なほど低いため、人によってはテストを受ける前の方得点のほうが良かったという話もあるらしい。
さて、僕が受けていた西村先生のテストについて。
バランスよく回復できるように綿密に作られており周期的に問題形式が変わるようになっている。
科目については自分で決めることができ、今回は保健体育を除いた一般科目計七科目を選択した。
一枚目のプリントはドリル形式の問題であったが、二枚目は少し応用された問題になり、三枚目では難解な問題に成っていくという傾斜的に難易度設定がされている。
ちなみにプリントは各科目各難易度で三枚ずつあるので三周する頃にはテスト用紙は200枚を越している計算となる。
制限時間はなく、正否はすぐに出してくれるが点数として教えてくれるのは10枚プリントを終える毎なので、結局テストを中断するにしても10枚単位毎にしかできない。
結局、いったん昼を食べてから戻ってこいという御状をいただき、今は教室に戻っているところだ。
試験に集中していたせいか、今になって空腹感がようやく追いついてきた。
扉を開くとFク
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