暁 〜小説投稿サイト〜
その魂に祝福を
魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方1
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。ヒャハハハハハッ!』
 確かに、そういう事をして遊んでいる男の子はいるけれど。
(男の子ってそういうのが好きなのかなぁ?)
 几帳面さと大雑把さが混在した――光らしいその部屋を見回し、そんな事を思ったりもしたけれど……まぁ、それはともかくとして。
「それで、作戦って?」
『なぁにそんな大げさなモンじゃねえ。さっきも言った通り、オマエが管理局の監視下にない事が前提となる。その前提を保ったまま、オマエは相棒を探してりゃいいんだ』
「探していればいいって……どこを?」
『この街の中ならどこでもいいさ。ここは相棒の縄張りだからな』
「えっと……?」
 さんざん走って頭がぼーっとしているせいだろうか。リブロムの言わんとしている事がよく分からない。何となくは分かるのだけれど……
「あ、そっか。つまり、なのはが探している事そのものが、光さんへの連絡になるって事ですよね?」
『そう言う事だ。極端に言えば、オマエは管理局の連中に見つからないまま街をぶらついていりゃそれでいい。後は勝手に相棒が見つけてくれるさ』
「なるほど……」
 とはいえ、そんな消極的な方法で大丈夫なのか。そんな不安があった。
『まだ心配なら、もう一つの方法がある』
 私の不安を見透かしたように、リブロムが言った。
『オマエの持ってる石っころを餌にするって方法だ。全部封印されたはずのその石っころの反応がありゃ相棒は泡食ってオマエら――つまり、オマエとあの嬢ちゃんの安全を確認するはずだからな。だが、』
「光さん以外も動き出す可能性がある?」
 言ったのはユーノだった。リブロムはその言葉に頷く。
『ああ。相棒かあの嬢ちゃん達ならいいんだが、管理局に嗅ぎつけられる可能性が高い。だが、本当に警戒しなけりゃならねえのは連中じゃねえ』
「次元魔法――あの雷を撃ってきた魔導師、ですね?」
『ああ、そうだ。どこの誰だか知らねえが、ちょっとばっかり厄介な相手だ』
 どこの誰か。リブロムには聞こえなかったようだが……
(私はちゃんと聞いていた)
 とても信じられないけれど。信じたくないけれど。
「母さんって、あの子は言っていたよ」
『あん?』
「あの時、あの子は……あの雷を見て、怯えたようにそう言ってたの」
 つまり、あの魔法を撃ったのは、あの子のお母さんなのではないだろうか。あの魔法は、非殺設定ではなかった。もしかしたらあの子も死んでしまったのかもしれないのに。
『母親、母親ね……。やれやれ、相棒の読みは当たりだな。それなら何かきっかけさえあれば目覚めても不思議な話でもねえ』
 一方、リブロムは何かしらの確信を得たようだった。というより、今の言葉からすれば光はとっくに知っていたのだろう。その、あの子がお母さんと上手くいっていない事を。
『しかし、そうなるとやっぱり
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