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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
騎乗兵、再戦
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しかない。
 内に宿る精神、その心と意志さえ折れなければ、最後まで立っていられる。

 夢で見たあの青年のように、完成された戦闘思考を構築する。
 自分さえも道具と割り切るその冷徹さと、必ず目的を成し遂げるという不屈の意思こそが魔術師として必要な在り方なのだから。



 骨に強化と硬化を重ね掛けする。
 強化によってまだ多少の無茶は利くようになるし、硬化で肉との隙間や骨の芯を固定できる。
 
 今はまだ無理にでも、この両腕には働いてもらわなければならない。

 治癒魔術は即効性に劣るので、今それを使っても無意味だ。
 痛覚遮断(ペインキラー)だけを施し、即座に体勢を立て直した。

「────────」

 追撃に駆けるライダー。
 だがその疾駆は、フェンサーの剣撃によって止められた。

 振るわれる銀剣。

 当たったかと思えた一撃は、而してライダーの残像を斬るだけに終わる。
 回避から後方跳躍(バックステップ)で一気に距離を開け、両者は己のマスターを背後に守る。

 しかし間合いを離しても安心はない。
 間断なく攻め込んでくる竜牙兵の群れが、オレたちに休息の時間をくれないからだ。

 背中合わせに立ち合い、二人同時に魔術を発動して全方位を薙ぎ払う。

Blitz Shot(雷撃), Phalanx(殲滅射撃) Ignition(一斉掃射)!! 」
Phalanx(一掃) Ignition(殲滅)!!」

 紡がれる呪文、術式は全く同系統の広範囲を殲滅する雷撃魔術。
 同種同属性の魔術は相乗効果をもたらし、周辺に蔓延る人形の群れを粉微塵に破砕する。

(一度見た魔術はラーニング出来るのか? デタラメだな)

 共振特性を活かして術式を編んだ雷撃魔術。
 光弾射撃と並んでオレが得手とする戦闘用魔術だが、一朝一夕に真似できるほど易いものではない。

 剣術のみならず魔導に精通しているとはいえ、フェンサーの魔術に関する能力は異常だ。
 単に魔術師として秀でているだとか魔術回路が優れているだとか、そんな簡単な話ではないだろう。

「それにしても…………」

 ライダーに限ったことではないが、対魔力スキルというのも実に反則的だ。
 慎二とライダーがいる場所まで拡散電撃は届いていたが、ライダーの周囲のみ、雷の暴嵐は効果を発揮出来ていなかった。

 高ランクの対魔力持ちのサーヴァントには、実質的に魔術は効かないと言える。
 少なくとも現代の魔術師に、それらに対する効果的な高位の魔術を用意することは不可能に近い。

 儀礼呪法や大魔術に分類されるものは、事前準備が必要不可欠だからだ。

 一個人の小源(オド)だけでは扱うことなど不可能なため、特
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