暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
騎乗兵、再戦
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
躱しつつも相手を殴り飛ばす拳から術式破壊の魔術を核に直接送り込む。

 スマートなやり方ではないが、いちいち一体ずつ解呪している暇もない。
 こちらを狙ってくるガラクタ共を、片っ端から潰して潰して潰しまくる。
 そうして何十秒かに一度だけ訪れる数秒間ほどの猶予に、フェンサーを包囲しつつある人形共を掃射魔術で吹き飛ばす。

 忙しいながらに解析した結果、この人間ではないモノの骨で創られた竜牙兵は地属性を基とした傀儡魔術────ゴーレムだ。
 解呪する暇がないヤツには相反する風の魔術を叩きつけることで、外殻ごと内側にある核を破壊して粉砕する。

 核が残っているゴーレムは辺りに飛び散った破片で自らを修復し、何度でも立ち上がり襲い掛かってくる。
 せっかく撃ち込んだ魔術も核に届かなければ活動停止まで追い込めないため、トドメの確認まで逐一行わなければならない。

Wehen(吹き飛べ)!」

 時折フェンサーも魔術で周囲一帯を薙ぎ払うが、それは対魔力持ちのライダー対して無防備を晒すことになる。

 絶速の加護があるからこそライダーの駿足を活かした猛攻を凌いでいるが、このままではいつまで経っても戦局は平行線を辿る。

 宝具や大魔術の使用には僅かだがタメがいる。
 発動さえ出来れば戦況を変えることも可能だろうが、今はそうするための隙がない。

 ならば先に動きを見せなければならないのはオレだ。

「────散れ、雑兵!!」

 周りの雑魚を片付けながら溜めに溜め続けた魔力を、雷の属性(意味)を付与して解き放つ。

 純粋な魔力をただ雷撃に変換してぶつけただけだが、たかがクズ人形十三体など共振させたその雷刃一閃で消し飛ぶ。

 瞬間、オレは駆け抜けた。

「ッ!」
「な、く、来るな、来るなよ!」

 目標は慎二のみ。

 竜牙兵はともかくライダーの妨害は警戒に値するが、それさえ越えれば慎二を倒すことなど容易い。

 慎二の方へと走りながら、ライダーだけを注視する。
 予想通り、一撃離脱したのと同時にフェンサーを置き去りにしてこちらへと駆けるライダー。

 森の木々を掻い潜る蛇のように人形たちの間を走り抜け、オレの眼前に紫黒の大蛇が迫る……!

「甘い!!」
「なっ!?」

 突進の最後の踏み込みに合わせてこちらも踏み込み、ライダーの腹に前蹴りをブチ込んだ。

 暗闇に黒衣装だったあの夜ならまだしも、この明るい昼間に面と向かって対峙していれば近接対応は可能だ。
 こちらへ来るのは想定内、後は殺気の方向性、爪先から膝の向き、大腿部の筋肉の動きからある程度は何処をどう狙ってくるかがわかる。

 初めての接敵時に為す術なく、いいようにあしらわれたオレからの反撃というのも有
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ