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胸よ大きく
第三章
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横には当然ながら豆乳もある。
「御願いね」
「わかったよ。じゃあ期待しておいていいかな」
「是非共」
 またしても笑顔を彼に向ける。
「何があってもね。あと」
「あと?」
「今日の放課後暇?」
 それを彼に尋ねてきたのであった。
「どうかしら、今日は」
「まあ今日は部活もないし」
 彼は陶芸部である。素子は美術部だ。二人共文科系なのである。
「時間あるけれど」
「じゃあデートしない?場所は」
「場所は?」
 ここで素子は表情を変えずに頭の中であれこれと考えた。それはかなり長いようでいてほんの一瞬であった。その一瞬のうちに場所を決めたのだった。
「高志君のお家じゃ駄目かしら」
「いいけれど。けれどそれって」
「用意はしてるから」
 この場合は何を用意しているのか。それを聞くのは野暮であった。
「ちゃんとね。それも買いたてよ」
「そう。じゃあいいんだね」
「ええ。そのかわりね」
 ここからが彼女にとっては本題であった。それが目的なのだから。
「胸だけれど」
「胸!?」
「ええ。ずっと触って欲しいのよ」
 それを彼に言うのだった。場所が場所だけにかなり小声であるが。
「御願いできるかしら」
「いいけれど」
 高志は何故素子がそんなことを言うのかわからなかったがそれに頷くことにした。素子がそうしたいというのならそれに頷くだけであった。その日は放課後彼の家で始終素子の胸を触っていた。揉んだりもした。それはその日だけではなく時間があればずっとであった。そうしてそうした日が続いていた。
 そんな中で。素子はまたクラスで佐代と席を挟んで向かい合って話をしていた。話す内容はやはり同じであった。
「それでどうなの?」
 佐代が素子に尋ねてきた。
「効果あった?」
「ばっちりよ」
 素子は右手でサムズアップを作って満面の笑顔で佐代に答えた。
「それも思ったよりずっとね」
「キャベツとかの効果かしら」
「それもあるけれど高志君も頑張ってくれたし」
 やけに油の取れたツヤのある顔の述べてきた。

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