第二章
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」
「あんただって高志君がはじめてだったわよね」
「ちょ、ちょっと」
話がかなり危なくなってきたので慌ててクラスを見回す。幸い話は誰も聞いてはいないようであった。素子はそれにまず安心してから佐代に顔を戻して言った。
「声が大きいわよ」
「おっと、失礼」
「失礼よ。それはね」
「どうなの?」
小声になっても話を続ける。ひそひそと顔を寄り合わせての話になっている。
「その通りよ」
「何だ、じゃあ同じじゃない」
「同じだけれど。じゃああんたやっぱり」
「勇気がいったわ」
この言葉が全てを言い表していた。
「彼も中々乗らなかったし」
「やっぱりそうなの。こっちもなのよ」
何と素子も高志もそうであったのだった。
「高志君も奥手だから」
「やっぱりね。そんな感じはするわ」
それには佐代も頷くことができた。
「だからよ。そこまでいくのに苦労したのよ」
「それで今度はもっと苦労するつもりなの」
「ええ、そういうこと」
話が胸に戻る。そうしてまたそれについて話をするのだった。
「大きくしたいからね」
「高志君って胸が大きいのが好きなんだ」
「だから。それは男なら誰でもそうなのよ」
素子はそれを信じて疑わないようであった。それが顔にもはっきりと出ていた。しかしそれだけではなく彼女は何かに焦っていた。焦っているのもまた顔に出ていた。
「だからよ。頑張ってみるわ」
「じゃあ頑張ってね」
佐代は何か引っ掛かるものがあったがそれを応援することにした。
「気合入れてね」
「目指すは川村ひかるさんよ」
グラビアアイドルを目標にしてきた。
「やってやるわ」
「頑張ってね」
こうして素子の豊胸計画が実行に移された。それはその日のうちにはじまり彼女は家に帰るとすぐに運動をはじめ牛乳を激しく飲む。それだけでなくもう豆乳やキャベツを買い込んでブラまで替えてしまっていた。動きは実に迅速であった。
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