思い出-メモリーズ-part1/半妖精の友達
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りは消えることはなかった。服の下の、胸に刻まれたルーンを見て、まだ消えていないことを確認した。まだどこかでティファニアがちゃんと生きていると言う証だ。
この時のシュウは、実は自分が変身して戦っていた姿が事の発端でもあったことを想像もしていなかった。
一方、ロサイス。
「ミスタ・ワルド。申し訳ないけど、私は一度持ち場を離れるわ」
「小用ですか?別に構いませんが、あまりお時間を取りすぎないようにしていただきたい」
「ええ。わかってますわ。閣下は寛大なお方だけど、だからといって長く待たせてはさぞ気持のよくないことでしょうから」
この日もクロムウェルの命令で、トリステインへの侵攻のために艦隊改造の監督を命じられていたシェフィールドとワルドは、クロムウェルがボーウッドに、豹変したウェールズの力を見せていた時と同時刻、シェフィールドは突如、持ち場を離れだした。
入れ替わるように、ボーウッドがワルドの元にやって来た。
「ミスター・ボーウッド。先日の、閣下があなたに贈った『催し』はいかがでしたかな?」
「…子爵か」
「ずいぶんとご機嫌がよろしくないように見えますが、次の作戦の準備は?」
正直言って、不愉快極まりなかった。心は王党派のボーウッドにとって、クロムウェルの王族に…いや、万物の命に対する冒涜も甚だしい行為に憤慨していたのだ。何が始祖から受け継がれた虚無の担い手だ。始祖の力を手に入れたらどんなことも許されると言うのか?たとえば、ウェールズ皇太子を『あのような姿』に変えるような人体実験を。実験に付き合わされたあの怪獣アーストロンも、凶暴な怪獣とはいえれっきとした命だ。それが変身したウェールズに、ばらばらにされてしまっても笑っていたあの男の態度が許せない。
だが…。
「心配はない…私は軍人だ。神聖皇帝、クロムウェルの命に従うまで」
軍人としてのプライドがある。軍人は政治に介入してはならない。だから堪えた。
「それを聞いて安心しました」
ボーウッドはワルドを見て、目を細めた。この男はなんとも思っていないのか?この…今のアルビオンの状況とやり方について。
怪獣などの人外を操ってアルビオンの各地を蹂躙し、ある時は圧倒的な力で敵を心までもねじ伏せ、ある時は自然や大地を荒らし民たちの住むもろとも破壊の限りを尽くす頃で勝利を勝ち取ってきた、レコンキスタのやり方に。
いや…問うだけ無駄あろう。こいつは自分の祖国を平気で裏切り、噂では度に同行していた婚約者を殺害しようとしたと聞く。所詮は他人だし、憐れむような目で見るだけ無駄だ。
ボーウッドは、視線をアルビオンの大空に向けた。
艦隊が怪しすぎるほど見違えるまでに改造されている様を横切りながら、人目のつかないロサイスの宿の個室にやってくると、彼女は深いため息を漏らした。
「ふ
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