思い出-メモリーズ-part1/半妖精の友達
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ゃあ、皆で手分けして探そうよ!」
「だめだ。お前たちは村で待て」
「ええええ!!どうして!!」
ジムは多人数を用いた捜索を提案したが、シュウから真っ先に却下された。
「お前たちが探し回った範囲はすでに確認済みなのだろう?それでもティファニアが見つからなかったということは、おそらくさらに遠い区域で行方をくらました可能性が高い」
村の遠くまで子供たちが、保護者の監視無しで出ていくのは危険すぎる。いくら自分の家族の行方がしれないからと言って危険を犯し、万が一のことが合ったら元も子もないのだ。ミイラ取りがミイラになるなんて、あのティファニアのことだ。自分はともかく、子供たちに何かあったら寿命が縮んでしまうに違いない。
「で、でも人数が多い方がきっと…」
ジムはそれでも自分たちだって放っておくことはできないと、一緒に探しに向かうことを申し出たが、それでもシュウは許可を出さなかった。
「その分探す側の被害が増える。だから探すのは俺だけでいい。俺たちが戻るまで一切村から出るなよ」
「でも、お姉ちゃんがどこに行ったのかわかるの?」
「ああ、わかる」
サマンサからの問いに、シュウははっきりと頷いた。不思議に思うだろう。会ってまだ日が浅い少女一人がどこに行ってしまったのかがわかるとはっきり言い切ったシュウの言葉に皆が不思議に思う。
すると、シュウはサムが閉じこもった男子用の小屋に近づき、入り口の前に立った。
「サム」
シュウはサムの名前を呼んだが、中からの返事は帰ってこなかった。自ら耳を塞いでいるのかもしれない。だが、彼は返事がないことも構わずに続けた。
「一度しか言わない。留守は任せる。その代わり、チビたちを守れ。いいな?」
そう言い残し、シュウは村を出てティファニアを探しに行った。
(……やれやれ)
またこうして、どこかに姿を消したテファを探しに向かってる。彼女を探しながらシュウはため息を漏らした。
村が見えなくなるほど遠い場所までたどり着くと、彼は地面にそっと手を添え、目を閉じた。はたから見たら、珍妙なものにしか見えないかもしれないが、シュウがこれをやっていることには理由がある。
(…見える)
彼の瞼の下に、モノクロ映像に似た白と黒のみの配色で映像が流れていた。
村から突如、まるで重要な仕事でも思い出したかのような慌てようで村を出て走るテファ。次に彼女の口から飛び出した言葉に、シュウは目を見開くことになる。
『シュウーーーー!!!』
「…!」
自分の名を呼びながら森の中を見回っている。やがて、山道へ差し掛かり急な斜面へと足を踏み外してしまった彼女の姿を見て、彼は顔を上げた。わざわざ、危なっかしい夜道をうろついてまで自分を探しに行ったと言うのか?
マチルダの話によると、確か使い魔のルーンは、主か使い魔のどちらかが死なない限
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