彼と暴力事件
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いる光景だったのだ。
イナホは飛びださんばかりの勢いで喜んでいるが、よもや自分達の部屋の食事だろうとは夢にも思っていなかった二人にしてみれば、喜色よりも疑問が先に立つ。
トレイに自分の分の食事を乗せてやってきた春恋が、その疑問に答えた。
「ほら、なんというか……我慢し過ぎるのも体に毒かなー、って思って」
「そうですよ! 早く食べちゃいましょう! ハグッ!」
「言い終わると同時に食べおった!? せめて手を合わせんかい、早過ぎるわ!!」
「……ま、いいか。久しぶりにガッツリ食えそうだ」
頂きますと手を合わせてから食べ始めた海童を見やり、春恋は嬉しそうに微笑んで―――――自分の頬へと大事そうに、愛おしそうに手をやる。
(ああ、なる程の……フ、恋心かのぉ……)
一人納得したコダマも食べ始め、皆揃って談笑しながら夕餉の時間は過ぎていくのであった。
……翌日、海童達の部屋から奇声が聞こえてきたのは、また別の話。
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