暁 〜小説投稿サイト〜
日向の兎
1部
9話
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
さて、交流戦当日だが……まぁなんとも貧相な会場だ。グラウンドに柵を立てただけ……もう少しやりようがあっただろうが、所詮は子供の行事の一環なので仕方ないか。
観客も生徒とその保護者がちらほらか……こちらももう少し集まるものかと思ったが仕方ない。
正直、ハナビの頼みがなければ天地が返ろうと出るつもりはなかったが、出てしまったのだから諦めるとしよう。
「ヒジリ様、ハナビ様の仰った通りにはくれぐれもなさらぬよう頼みますよ」
「分かっている、本気は無しだ。柔拳にチャクラを使わずただの打撃として使う、人体破壊も無しで眼の能力もある程度抑えて戦う、この二つを守ればいいんだろ?」
「ええ、そうです」
「妹の頼みとはいえ、我ながら面倒な判断をしたものだな」
いかん、これ以上愚痴を零していると気が滅入って仕方が無い。そろそろ控えねば精神衛生上よろしくないし、不機嫌になることで加減が効かなくなる。
「それでは行ってくるぞ」
これ以上ネジの小言を聞くのは面倒だからな。さっさと言って、さっさと済ませるとしよう。


私が柵の中に入ると一瞬会場がざわめいた。どうにも噂では私を知っていても実物を見たことがない、もしくはよく知らないといった輩が珍獣でも見るかのような好奇の視線を向けているのだろう。
まったくもって失礼な話だ、私のような少女に何を期待しているのだ?
「ねーちゃん!!あんなスカした野郎なんかに負けんじゃねーってばよ!!」
……ナルトか。応援はありがたいのだが、少し声の量を抑えてくれ。君の隣にいるヒナタの声が聞こえない。
一方、サスケが柵の中に入ると女子生徒達の黄色い声援が一斉に上がる。ふむ、確かにあの年頃の少女は少し影のある男子を好むと聞いたことがあるな。それに、容姿端麗、文武両道となればあの様に人気がでるのも確かか。
とはいえ、当の本人はその声援に対して無関心どころか、相手である私にさえも関心を持っていないようだな。境遇から察するにイタチ以外に興味がないと言った具合か。
「両者、礼!」
私達が揃ったことを確認して、教員がそう告げた。
「日向 ヒジリだ、今回はよろしく頼むぞ」
「うちは サスケだ、その巫山戯た面はなんだ?」
「家庭の事情というやつだ。では、かかってくるがいい、お姉さんが相手をしてやろう」
「始め!」
教師の合図と共にサスケは私から距離を取りつつ手裏剣を三つ投擲、成る程身のこなしは中々だな。とはいえ、所詮は人の動き。
この眼の前ではアカデミーだろうが上忍だろうが人の動きである限り無意味、私を倒したくば予測しようが私の動きが欠片も追いつかない速度の体術か、私の視認できない距離から高威力の忍術で一帯を焼き払う位はして貰わなければな。
私はその場から動かず、手にチャクラを纏わせて飛んできた
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ