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ソードアート・オンライン ≪黒死病の叙事詩≫
≪アインクラッド篇≫
第一層 偏屈な強さ
ソードアートの登竜門 その壱
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に必要なリーチを持たず、片手剣使いなら「マジ?」というようなリーチである。
 ふたつ、重量。重い。これは物凄い弱点だった。短剣並のリーチの癖に重量は片手剣並なのだ。短剣使いは「アホか」という。
 みっつ、攻撃手段。突きだけ。これも厄介だ。重い重量と短いリーチ、なのに横切りだと何故か適正火力が出ない。ここまでくるとSAOスタッフの悪意を感じる。細剣使いにですら「ふざけんな」と言われた。

 リーチがないから間合いの駆け引きに弱い。
 遠心力やテコの原理を使えないリーチなのに重いから手数が少ない。
 突きしか火力が出ないからモンスターにすら学習されてすぐに通用しなくなる。
 しかし火力なら最大で、片手剣のソードスキル×六倍のダメージが出る。

 よって総合評価は一撃必殺、≪暗殺向き≫だ。

 そんな武器をメインにしてしまったため(自業自得だが)スキル構成が≪隠蔽≫と≪聞き耳≫になってしまった。

 隠蔽スキルは敵に見つからずに背後を取り、ブスリと心臓を刺すために使う。このビルドには必須のスキル。
 聞き耳スキルは少々特殊な使い方だが、自分の足音を確認するために使う。モンスターに足音でバレてしまうということがあって以来愛用している。使い方は至って簡単。足を忍ばせて地面を足で弱くタップしながら足音のしそうに無い道を探す。これだけ。
 あとついでに街中で噂話を聞くためにも必要なスキルだ。情報源は多いほうがいい。まぁ、あくまで噂を聞くのは副産物だが。

 この三つのスキルを使えるようになって以来、暗殺成功率が飛躍的に向上した。聞き耳スキルがないうちは成功率半々といったところだったが、今では九割は成功する。
 つまりはこの第一層では最早敵無し、と思ってしまっていた。その結果が今である。もう目も当てられない。俺は別に盗賊ではないので罠なんてわからない。

 と、俺が架空の虚空に向かって拗ねていると、コボルド達の息の音に混じって何者かの足音が聞こえてきた。

 フレンドの小ウィンドウを開いてキリトの位置を確認する。近い、というよりもこの距離だとすぐそこだろう。

「キリトォ―――!!!ここだぁ!!!たすけてくれ―――っ!!!」

 その後、なんと俺が命を賭しても倒せないであろう三匹のコボルドは、決死の表情のキリトくんによって三十秒で蹴散らされた。



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