第26話 ジョゼフ1世
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ブリミル暦6239年 フェオの月 フレイヤの週 虚無の曜日
皇紀2797年 4月 1日 ガリア王国 リュティス(首都) ヴェルサルテイル宮殿
Side ジョゼフ1世
謁見の間にて、玉座に座る一人の30歳ぐらいの男性がいた。彼こそは現ガリア王ヴァロア1世である。見た目と違い御年60を越えているが、老化防止の秘薬のお陰で若さを保っていた。その横には、20代歳ぐらいの青年が立っていた。彼こそが本日の主役のジョゼフ皇太子である。実年齢は今年で42歳である。ジョゼフ皇太子は虚無の使い手として名を馳せている。また幼き頃より、学術研究都市の責任者に就任したダンブルドアに師事しており、此度のガリア王の即位となった。またヴァロア1世は今後も後見役として、ガリア王家を支えて行く事になる。
玉座の後ろには皇族方の席が用意されており、先代のロベスピエール3世や弟君のシャルル殿下も列席している。シャルル殿下はオルレアン公の名を継いでおり、この度は新領土(アメリカ大陸の一部)の総統府に任命される予定である。シャルル殿下もダンブルドアに師事しており、12歳でスクウェア・メイジとなり天才と評されている。
一方、夫人や子供達は控え室で戴冠式を、立体TV(ソリビジョン)によって中継放送を拝観していた。この立体TVはヴァロア1世即位の折、光輝から贈られた物である。ジョゼフもシャルルも御息女の生誕の折、ビデオカメラを贈られ子供の成長記録を残すなど、親馬鹿ぶりを呈していた。
シャルルの第一子は双子であったが、妹の王位継承権を返上して、無事に両親の元で育てられている。
これは国交樹立の際に条件が付けられていたことが幸いした。双子の生まれる確率は100分の1てあり、双子を忌み嫌う風習は是正すべきであると光輝が説得していたからである。
ラッパの音が広間に響き、戴冠式が始まった。国王の前に進み出たジョゼフに、マントと杖が渡され、次いで王自ら王冠をジョゼフの頭に載せた。
式部官が場内全てに届くような声を張り上げて宣言する。
「ジョゼフ1世陛下ここに誕生せり!」
声が緊張で上ずっていた。
それもその筈である。何しろ戴冠式の映像はテレビ中継されており、各放送局が特番を組んでいたのである。ハルケギニア6000年で初めて戴冠式の放送がなされたのである。
大きな街の広場では大型液晶ビジョンが設置され、戴冠式の映像を流していた。
戴冠式を観ていたガリアの国民は、一斉に歓声を上げる。酒場では酒が振舞われ、さながらお祭り状態であった。
何事もなく戴冠式も終わり、ジョゼフ1世は各国の代表やガリアの貴族の方々との謁見が待っている。
最初に呼ばれたのは光輝であった。ダンブルドアが恩師なら光輝は父であり兄の様な存在であった。小さい頃から常にジョゼフの視線で、
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