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FAIRY TAIL 星と影と……(凍結)
幽鬼の支配者編
EP.25 暴走する魔人
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示を出す。

「エルザ、お前は先に行ってこの巨人止める方法を探せ」
「一人で止める気か!? 危険だ! 私も……」
「いや、こんな事に二人も裂く必要はない。“煉獄砕破(アビスブレイク)”もあるし、この巨人を止める方が優先だ」
「……分かった。だが、絶対に後で追いついて来い! 絶対だぞ!!」

 渋々そう言うと、エルザは駆け出した。
 胸に残るしこりのようなナニカに気付かない振りをしながら。

「(どうせ言っても、エルフマンはこの場から退かないだろうしな……)」

 エルザが去った事を気配で確認したワタルは、滞空しながらこちらの様子を窺う魔人と相対しながら、誰にも聞こえないようにこぼす。

「それに……どうも、これは俺が原因みたいだしな」

 誇り、力、大事、守れる力……そして弟と、今は亡き妹の名。
 所々欠けながらも、暴れている魔人の口からその言葉が漏れていたのを、至近距離にいたワタルの耳は捉えていた。
 6年前に自分が街を出ようとしていた彼女に言ったものと同じ言葉だ。
 ずっと彼女の中でその言葉が生き続けていた事は嬉しいが、今はそれが原因で、彼女は家族を守るための力に身を任せ、心を焼く負の感情のままに暴れている。

 ならば、止めるのはその言葉を掛けた自分の役目で、責任だ。

 何故かエルザに声を掛けた時、魔人は彼女の事まで言って暴れていたが……それ以上考える余裕は無かった。
 負けるつもりはないとはいえ、久しぶりの“魔人”の力は未知数。気が抜ける相手ではなかったからだ。

「さて……待たせたな、ミラ……さあ、掛かって来い!」

 ワタルが拳を構えて宣言すると、魔人の右手を静かに前に出した。

「……“ダークネス・ストリウム”!」

 悪魔の手を模した黒い影が5本飛び出し、それぞれ別の方向から弧を描いてワタルに襲い掛かる。

「……そういうのは、俺には効かないぞ」

 着弾の土煙が晴れると、抉れた床と壁、そして無傷のワタルの姿が。

 攻撃の軌跡を魔力感知で詳細に把握するワタルには、隙を作らなければ遠距離攻撃は殆ど意味をなさない。
 暴走していても、彼が意識的に身体を攻撃のラインの隙間に潜り込ませたのが分かったのか、魔人は翼をはばたかせて高速で接近してくる。

 だが、それはワタルにとっては願ったり叶ったりだった。
 6年前に行ったように、“接収(テイクオーバー)”は“魂威”で術者の体内の魔力を乱せば、強引に解除(ディスペル)できるのだから。

「!?」
「もらった!」

 ワタルの方から飛び出して迎撃されるのは予想外だったようで、魔人は瞠目して、分かりづらい表情を驚愕に染めた。
 このまま“魂威”で一気に終わらせる……そう思い、魔力を集めた手を翳して行動に
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