彼と女と唐突と
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やれやれ・・・今年の天日の入試は阿呆さの度合いでも競っていたのか・・・フン!!」
「「「あえっ?」」」
その指を後ろへ振るった途端、姫神コダマファンクラブの三人は見えない力で高々と放り上げられ、湖に勢いよく落下してしまった。
これは表向きには《インビジブル》というサイコキネシスのようなものとして通っているが、その実態は彼女が使役しているカグヅチらを使って放り投げているのである。
どちらにしろ見えない力で動かされているのに違いはないので、コダマも否定しないのだ。
「しばらくそこで頭を冷やす事じゃな。ある意味助けてやったのじゃから感謝も付けるとよいぞ」
(まさか本気でぶつけるとでも思われてたのか・・・?)
「・・・さて」
意外と信用されていないのだと海童が軽く溜息を吐くが、まだ終わっていないらしくコダマは残った一人に顔も向けた。
「蛇山とかいったか、お主はよいのかの?」
「・・・こっちは目的が違いましてね」
「目的じゃと?」
「ええ・・・姫神コダマ殿に―――」
言いながら蛇山は袖をまくり、宝玉が嵌ったリストバンドが付いて居る部分を晒す。そしてニタリと笑うと・・・手首から肘側に向けて伸びる、逆手持ち状態の様な刃が出現した。
「決闘を受けてもらおうと思いましてねぇ!!」
この距離で振りかぶっても届かないし、逆手持ちのような形状で腕から生えているのなら近距離でも届かないのではないか・・・そういった予想を蛇山は裏切ってきた。
マケンであろう刃が変形し、蛇のようにうねって地面を斬り裂きながら伸びてきたからだ。
「うおっ!」
その一撃でベンチと湖の策を砕く。変幻自在な刃と合わせて、中々に厄介な力だ。
海童は横によけ、何とかやり過ごす。
「ん? ・・・ぬっ!?」
「なるほど、それが主の目的か。だが―――」
何時の間にやら、コダマは蛇山の腕と頭に脚を掛けて乗っており、腕を組んで堂々と立っている。
「決闘の儀も行わず斬りかかるなぞ、戦士では無く外道の行いじゃな」
「はっ! やかましいんだよ小娘!!」
又も刃がうねり伸び、飛びあがったコダマの胸元を切り裂いた。ギリギリで服のみにとどまったが、蛇山の攻撃はそこで終わらない。
「俺の魔剣『スネーク』の形状は思いのままに変えられてな! 伸びてうねって切り裂くまでテメェを追い続けるぜぇっ!!」
(こやつ着地を・・・!?)
まだ空中に居るコダマの着地地点を予想し、蛇山は『スネーク』を放ってきた。コンクリートを砕きながら、得物を狙う蛇の如く両の刃は
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