彼と女と唐突と
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迫り来る。
対抗する為か指を構えたコダマは・・・横からいきなり何者かに抱えられ、一緒くたになって倒れる。飛びこんで抱えてきたその者は海童だった。
・・・が、立ち上がろうとした所であるハプニングに見舞われる。
「ぬむっ・・・?」
「うっ・・・」
何と入学式と同じハプニング・・・即ちキスを交わしてしまっていた。海童も必死になって飛び込んできたので、こうなるとは予想していなかったのだろうし、勿論の事ながら意図的にやった訳ではない。
だがそんなラッキースケベなハプニングが起きようとも、場の状況は否応なしに変わる。
「この状況で・・・何いちゃ付いてんだガキ共がァッ!!」
背後にいた蛇山が、怒りの言葉と共に叩きつけるように『スネーク』を伸ばして来た。その刃があと数pで海童の背中に届いてしまう・・・・・・そう思われた、刹那。
「ドオオオッ!!!」
「は?」
海童の叫び声と共に、実にアッサリとスネークは弾かれてしまった。驚きのあまり動きの止まる蛇山の顎に、今度は海童のアッパーが炸裂し、蛇山は受け身も取れずゴロゴロと転がる。
蛇山へ向かう彼を見て・・・コダマはある事に気が付いた。
(カイドウの胸に紋が浮かび上がって・・・それにこの力は・・・!?)
「スゥゥ・・・」
「くそっ!!」
息を吸い込み始めたのを狙って、蛇山は再び刃を伸ばして迎撃しようとする。しかし、閉じていた目をかっと見開き、海童は天に向かって震えるほど吠えた。
「オオォォオオオッ!!!」
「ぬぐっ・・・!? う、おおっ!? ぐおおおああああっ!!!」
叫び声が力として具現化したが如く、コンクリートを抉りながら蛇山に衝撃波が襲い掛かり、全身を巨大な拳でぶっ叩かれた様に、蛇山を背後にあった木々もろとも吹き飛ばした。
傍目には前方広範囲の攻撃に見えたが、実際は一点に集中していたか、蛇山の胴体にはそれこそ拳を打ち込まれたような跡が刻まれていた。
(間違いない・・・衝撃波にエレメントを感じる・・・これは兄上と同じ・・・魂の収束・・・!!)
「スゥゥ・・・ハァァ・・・やれば出来るもんだな」
海童の顔には笑顔が浮かんでいるのだが、内心は衝撃波を全身から出せた事よりも、自分の力が一時的に上がったような感覚を受けた事に戸惑っていた。
コダマの言った魂の収束と、何か関係があるのだろうが、現時点では海童には何も分からない。
「す、凄いですよ海童様!」
「相変わらず何つー破壊力だよオイ!」
「大丈夫、カッちゃん?」
「・・・? 何でお前
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