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Love Death 雨宮 燕と佐倉椿の場合
第2話 共通点 そしてゴール
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学校が始まってもう3ヶ月。
え? 印象に残った出来事?? そんなの空気の私にはないよ。
けど、相変わらず雨宮君は私に話しかけてくる。

今日は音楽のテストです。出席番号順にテストは行われます。
テストは自分で選んだ課題曲を演奏するというなかなかハードなものです。
最初は運悪く私からでした。
私の演奏を雨宮君だけが子供のように聞いていました。
その後、私が触れたピアノには触りたくないという人々が続出。
その日の音楽の授業は丸つぶれになってしまいました。

そして帰り道、
「佐倉さん!!!!!!」
またお前かよ....と心の中で呟き私は振り返る
「あの、佐倉さんの演奏、すごかったよ!!!!!
あとさ俺さ、バイオリン習っててさ俺の演奏聞いてくれないかな??」
ダメっていっても無駄だろうし、私は諦めて彼の演奏を聴くことにした。


私は仰天した。
彼の熟練したハーモニーはまるで私を包み込むかのように優しくて.....
「ダメ!!!!!!!」
私は叫んだ。これ以上聴いたら、これ以上聴いたら、これ以上聴いたら、
彼のことが............
「え?? やっぱり下手だよね。」彼は少し悲しそうに言った。
「もう、もう、これ以上、私に近づかないでよ...」
「わかった。けど、一つだけ、一つだけ僕の昔話を聞いてよ。」
彼は公園の椅子に腰掛けながら話を始めた。
「俺にはさ、小さい弟と妹がいたんだ。 ある日、公園で遊んでたらさ
怖い大人に俺たちはさらわれちゃったんだ....
そしたらそこに中学生の兄貴がやってきてさ、こういったんだ。」
「 このバイオリンと、俺のもってる全額、これで、これで見逃してください...
お願いします!!!!!!」
「そのバイオリンはさ兄貴が大事にしてたバイオリンだったんだ。
結局兄貴も、弟も、妹も死んじゃってさ..... 俺だけが生き残ったんだ....
どうしようもないクズだろ?? 兄弟置いて一人だけ逃げるなんて....
でさ、このバイオリン弾くと兄貴のことを思い出すんだ....
学校ではヘラヘラ笑ってるくせに内面はこんな弱い男なんだぜ....
情けないだろ.....
佐倉さんはみんなの為にみんなと関わるのを避けてる。
なのに俺は自分のために逃げたんだよ.....」
違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。
「燕はクズなんかじゃない!!!!!!!」
思わず叫んでしまった。
「フフッ ありがと... やっと下の名前で呼んでくれたね..... 椿..」
「椿。好きだ。 君の全てをぼくは受け入れられる。
君の全てを僕は受け止められる。だがら.....!!!!!」
(そんなこと言われたら....
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