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無欠の刃
下忍編
植え付ける
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間で、あいつは」

 ちかちかと、視界で瞬く。
 彼に自分が一体何を強いたのかぐらい覚えている。
 彼にどれほどのひどいことを、汚いことを押し付けたのかも、知っている。
 彼が自分にどんな感情を抱いているかもわかっている。
 化け物がそれを忘れても、人間のカトナが忘れない。
 サスケは、サスケだけは!!

 「あいつは!!」

 そこから先は、奔流の如き溢れたチャクラで、大蛇丸の耳には聞こえなかった。

 「お前なんかに!! お前なんかに!!!!」

 カトナの激昂した声が響き、森が、木が、カトナのまとう赤いチャクラに触れた瞬間、発火する。
 カトナの襟首を掴んでいた大蛇丸の手が、まるで水彩の絵の具に水を浸したように、輪郭があやふやになり、痛みを感じるよりも先に溶け出す。
 輪郭がぼけ、肌がめくれ、骨が覗き、血がこぼれる。

 「なっ!?」

 慌てて、子供から手を離し、自分の手がそこまで傷ついていないことを確かめた大蛇丸に向けて、激情のままに溢れるチャクラを振り回す。

 「奪わせない!!」

 二度と、大切な物は手放さない。
 カトナの背中を押してくれた彼を、カトナの背中を支えてくれた彼を、失うわけには、いかない。
 そうすればきっと、カトナは。

 うちは、サスケ。
 大蛇丸が欲す子供。次の器に彼が欲しいと大蛇丸は思っていたが、しかし、それは目の前の子どもの逆鱗に触れたらしいと、舌なめずりをする。
 なんというすさまじきチャクラコントロール…数々の才能を見てきた大蛇丸でさえも見たことの無いほどのもの。嘆くべきはそのチャクラの保有量の少なさだが、それも大蛇丸の力で改造してしまえばどうという事もない。
 にやにやと笑い、大蛇丸は嬉しそうに笑った。

 「面白い!!」

 それに対し、激怒した声で吠える。

 「あいつらには、近寄らせない!!」

 カトナの赤い瞳が燃え上がり、纏ったチャクラの衣がひらめく。
 肌が焼かれ、ぼこぼこという泡のような音が溢れ出て、世界が真っ赤に染まる。カトナのチャクラをも呑み込んだ九尾のチャクラは肥大し、紫の光が満ちる。
 大蛇丸がそれを見て笑う。

 ああ、これだ。これこそ、私が欲す素晴らしき才能!!

 大蛇丸の欲すすべてに通じる知識の中には、人柱力をも含まれている。
 特に九尾の人柱力たるカトナと、その九尾をも制御できかねない瞳術を持つうちはサスケにも目をかけていた。
 何の因果か、その二人が同じ班に揃っているという幸運に恵まれた。この絶好の機会を利用するしかないと思っていたが、ただの実験材料でしかなかった人柱力の力が、なんと恵まれていることか!!
 ただで死なせるには惜しい。彼の体を次代の器にするという事も楽しそうだと、うっ
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