暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜狩人と黒の剣士〜
シャドウ:五回戦
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を歩いていると、そこに今回の優勝候補、ライトロードが椅子に倒れているのを見付けた。
「……」
俺はそれを見て、すぐにそちらに掛け、声をかける。
「おい、しっかりし……」
俺はそういって揺すろうとすると、顔を見る。
顔は蒼白してるように見え、まるで何かに怯えているように体を震えさせていた。
「……おい、本当に大丈夫か、ライトロード?」
再び声を掛けると、ライトロードは我に返ったように俺を見ると、ほっとした顔を見せた。
「……俺の顔に何か?」
「いや、何でもない……済まない、恥ずかしい物を見せたな……」
ライトロードはそう言うが、未だに体が震えているのが解る。
何に怯えているのか正直疑問だが、そこに触れるべきでは無いと判断し、俺はネームカードを取り出す。
「そう言えば言ってないな。シャドーだ。シャドウ、ではなくシャドーだ」
「あ、ありがとう……」
ライトロードはそう言うと、ネームカードを俺に渡す。
「……何処かで見たような綴りだな。多分、気のせいかと思うけど……」
すると、再びライトロードがビクッとしたので、俺は慌てて謝り、その場を後にした。
































「ライトロード………か」
俺が小さく呟くと、目を閉じて考える。
あの速度、決断力、そして、銃撃のタイミング。全てが全て、今まで出会った中でも高スペックの持ち主だ。
あんなキャラクターを創るのだから、恐らく、コンバートキャラクターか。
否、それは違うと即座に否定する。
コンバートキャラクターはその世界に合わせてステータスが上がり下がりするのだ。例えコンバートキャラクターでも、彼処までの敏捷値は出せない。ましてや、あんな反応速度は出来ない筈だ。
その強敵が、俺の予選決勝の相手となる。それだけで、俺の手が震える。
「……面白い。やってやる」
サザとの前哨戦に、持ってこいの相手を見つけた俺は、静かに転送の時を待つ。
数秒後、俺は、待機ドームに転送されることなく決勝の準備空間へと飛ばされる。ヘクスパネル上に浮かぶウインドウに表示された対戦相手の名は、やはり【Raitrod】とだった。
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