第25話 アルブレヒト3世
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ブリミル暦6234年 イングの月 ヘイムダルの週 ユルの曜日
皇紀2792年 6月10日 帝政ゲルマニア ウィンドボナ(首都) ウィンドボナ宮殿
Side アルブレヒト3世
謁見の間にて、玉座に座る一人の30代の男性がいた。彼こそは帝政ゲルマニアの皇帝アルブレヒト3世である。選定皇の皇帝選挙制度で初めて選ばれた皇帝であった。皇帝選挙制度は、太平洋連邦との国交樹立の際、光輝がその制度を導入させた経緯がある。
アルブレヒト3世は国交樹立後に、国内改革をいち早く取り入れ、国に貢献したと認められて、皇帝選挙制度で選ばれた最初の皇帝となった。
アルブレヒト3世は野心家で、もし選挙制度がなかったら、原作通りに親族や政敵を幽閉または処刑したであろう。
光輝はそんな野心を利用して、国内改革に誘導したのである。
即位式が終わり、国外の親善使節との謁見が始まった。
太平洋連邦は国への貢献が大きかったとされ、ハルケギニアのどの国よりも先に謁見が許された。
光輝は玉座の前まで歩いて行き、床に膝を付いて額ずいた。
「閣下、この度のご即位おめでとうございます。」
「其の方の進言通り、国内改革を推し進めて正解であったな。
ゲルマニアは他国と違って、血筋より能力を重視する気風がある。皇帝選挙制度のお陰で予も皇帝になれた。争いもなく皇帝になれたのは、其の方のお陰である。」
「身に余るお言葉、光栄至極であります。しかし閣下の国内改革の賜物であります。
争いは一時的には利するところがありますが、禍根を残し長期的に見れば利が少ないことです。この期に及んでは中央集権国家を目指すのが良いと思われます。」
「同感だ、予もその事は考えておった。小領は行政の効率が悪い。併合して大領とするか、直轄地にするか考えどころのよう。」
「はい、無理な併合は禍根を残す元となります。閣下は他所の国の王より若う御座います。長期的な視野に立って国内改革を推し進めるのが良いと思われます。
学術研究都市では平民の若者達が育ちつつあります。きっとこの先、閣下のお力になるでしょう。」
Sideout
アルブレヒト3世は良き王となった。
帝政ゲルマニアはどの国よりも科学技術が発展していった。
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