大図書館。そして妹のもとへ。
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「うわぁ……。やばい、ちびりそう……。すげぇ怖い……。あぁ、何言ってんだろおれ……、ちびりそうだって楽しいわ」
思わず暗基の口からちびりそう発言が飛び出してしまったが、言葉のあやである。
「しかし、こんなに禍々しい霊力があふれまくってんのに、敵がまったく襲い掛かってこないってのも不思議な話だよな……。何なんだろうな……」
こうして独り言をぶつぶつ言っていなければいけないほど、暗基は極限状態である。
すると、明らかに黒くなっている空間が見えてきた。暗基はそこに近づいていき、中を確認する。
中は地下へと続く階段があるだけである。どうやら、今まで感じてきた禍々しい霊力は、ここから漏れ出してきているようだ。
「……、吐きそう……。入りたくねぇこんなところ……」
暗基は吐き気を必死に抑えながら、何とか足を進める。階段以外は何もない洞窟なので、足音がコツ、コツと響く。
そのうち、ぼやけたような光が見えてきた。どうやら奥地まで来たようだ。
「おー、やっとか……。あ、とりあえず、霊爆『ソウル・ファンネル』」
生身で突撃してとんでもない目に会わないために、とりあえずソウル・ファンネルを展開しておく。
「よし、行きたくねぇけど、突撃!」
そして暗基は、光の中へと突入した。
すると、そこには、魔法で作られたと思われる鎖で縛られ、力なく吊り下げられてるフランと、それを見て満足しているパチュリーのマガイモノ、そして、その隣にフランがもう一人いた。
「な、なんだこれ……」
思わず声を出す。するとパチュリーのマガイモノが暗基の存在に気づき、暗基のほうを向く。
「あら、追いかけてきていたのね? 結界をまた張っておけばよかったかしら」
口ではそういってはいるが、顔がまったくそんなことを言っていなかった。まるで、「ずいぶんと遅かったわね」とでも言いたそうな顔をしていた。隣に立っているフランを見て、あることを指示した。その内容が、とても考えられないものだった。
「さぁ、フラン。あそこに吊るしている無能なオリジナルを、レーヴァテインにでも変えてしまいなさい」
「!!?」
なんと暗基の目の前で、本物を封印してしまえと言ったのだ。それに対しフランのマガイモノはこくりと1つ頷くと、吊るされた本物のフランの元へと飛んで行き、
「さようなら、私の本物?」
その言葉とともに本物の頬を触る。すると、マガイモノが触れたところから影が本物を覆っていく。その途中で本物が目を覚まし、その自分の姿を見て、本物は発狂した。
「え、い、いや! やめて! 怖い! 怖いよ!! 助けて!! 助けてお姉様!!!」
本物が必死に叫ぶが、その叫びが届くこともなく……。
本物は、影に完全に包ま
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