大図書館。そして妹のもとへ。
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この世界でいう、「程度の能力」だしな。あれ、美鈴にはまだおれの能力についてしゃべってなかったっけ?」
「えぇ、聞いていないのでぜひ聞きたいところなんですが……」
「そんな余裕はないわ。行くわよ」
「そうか……」
「ですよね……」
暗基自身、美鈴にも自分の能力を知ってもらいたかったのだが、どうやらそんな余裕はないらしい。残念だ。
残念だと思っているうちに、咲夜はギィッ、と重い音を鳴らしながら大図書館の扉を開いた。扉が開かれたあと、目の前に広がる光景を見て暗基は驚いた。
「うおおお!! すげぇ!! 本がびっしり!!」
本、本、本、本。見渡す限り本の山が目の前に広がっていた。
暗基の住んでいた街にも一応図書館はあったが、これほどずらりと本が並んではいなかった。本を読むことを趣味のひとつとする暗基にとっては、ここはまさに天国といってもいいものだった。
暗基はすぐそばにあった本を手に取り、読んでみた。そこに書いていたのは、
「……、え? 何処の文字これ?」
そう言葉に出さずにはいられなくなるような、解読すら出来ないのではないかという本だった。こんな本をパチュリーはずっと読んでいるのかと思うと、パチュリーのことが少し怖く思うのと同時に、この本が読めたら、新しい世界が見えるかも知れない。この読み方を教えて欲しいと思った。マガイモノを倒さなければいけないが。すると唐突に、
「私に許可なく図書館の本を読もうなんて、ずいぶんといい度胸をしているのね?」
「!?」
「零! 横に跳んで!!」
「うおおあ!?」
言われるがままに暗基は横に跳ぶ。するとその直後、青い色のレーザーが暗基が先ほど立っていた場所を焼いた。暗基がレーザーの発射元の方を見ると、ピンク色のローブと帽子をかぶった紫髪の女が魔導書を開きながら手を前につきだしていた。
「あんたが、パチュリー・ノーレッジのマガイモノか」
「えぇ、その通り。私の部下も封印してきたようだけど、もうあなたたちの好きなようにはさせない」
部下。おそらく小悪魔のことだろう。封印するということが相手にばれているということは、やはりマガイモノ側には暗基が持つ封印の札の存在が知られている。まぁ知られたところで、暗基以外には扱うことはできない。相手側にどうこうできることはないだろう。
「へっ、お前らにその言葉、そっくりそのまま返してやるさ」
「たしかに、私だけじゃなにもできないわ。だけど、あなたは私たちマガイモノがどんなことができるかってことくらいは分かっているわよね?」
「ん? ……あっ、やばっ」
「そう、それをするの、よ!!」
そういうとパチュリーは右手を思いっきり床に叩きつけた。するとそこから巨大な魔方陣が出現し、その魔方陣の中から、たくさんのマガ
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