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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼と歓迎会・・・と黒い影
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 驚く海童と碓の二人へ楓蘭が短く告げ、穣華がそれを繋いで解説し始める。



「季美さんの魔鍵(タブレット)『コミックスター』は、漫画の擬音や効果の特性を想像し、現実へ描き出して実際に投影することが可能なの。チャチャさんの魔建(スケール)『コンプレッサー』は、無機物の質量や大きさを自在に操作可能なんです」
「公私共々ベストなパートナー、それが彼女達ですわ」
「これが・・・」
「マケンキか・・・」
「せいか〜〜い」



 再びポフッと手を叩き、穣華は海童と碓、イナホの新入部員三人の方を向いて、手を大きく広げた。



「コホン、では改めて・・・入部歓迎いたします、「マケンキ」へようこそ! 海童くん、健悟くん、イナホちゃん」

「はい」
「あっ・・・ハイッ」
「うっす!」



 ここよく迎えてくれた面々に感謝しながら、三人とも笑顔のまま頷くのだった。
















 後日、一週間の終わりと言う事で実へ報告しに行った海童と春恋は、学園長の様子が何やらおかしい事に気がついた。


「う〜ん、えっと、えっとな?」
「なんですか?」



 気まずそうに表情を崩しながら、実は誤魔化し笑いをして衝撃の事実を口にした。



「実はあの熊さ、今年の春辺りだったかな〜・・・そこらへんから飼いだした、言わば私のペットなんだよね〜、うん」
「・・・はい?」
「で、でもでもクマハチは人間襲わないしさ! 別に危険ではないよ?」
「俺と碓、しつこいほど追われたんですけど」
「ああ、クマハチって名前だけどメスだから、きっと男子とじゃれあいたかったんじゃないかな〜と・・・アハハ」
「・・・」



 溜める様に春恋は震え、大きな音を立て机を叩いて実へ顔を突き出した。



「そういうことは事前に報告してくださいって何時も何時も言っているのに・・・何度目ですか学園長ーーっ!!」
「ゴメンよ副会長〜〜っ!?」

(・・・俺、判断を間違ったかな・・・)



 顔を押さえて項垂れながら、海童はマケンキに入った事をちょっと後悔するのであった。


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