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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼と歓迎会・・・と黒い影
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ら部室へと案内されていた。

 ちょっと声の大きい愚痴を聞いた碓が、声を潜めて海童へ声をかける。



「なあ・・・天谷先輩は一体何を怒ってんだ?」
「地震のあった日に、ちょっと、俺がヘマやらかしてな」
「ヘマを? でも三日経ってるぜ?」
「三日間ずっと愚痴られてんだよ・・・俺が悪いから仕方けどな・・・」
「そうですよ? もっと考えて行動してください海童様」
「あ、ああ・・・」



 海童の力が空中で拡散し、強烈なその力が結果地震を引き起こした・・・その事実が分かった当初こそ顎が外れんばかりに驚いていたものの、マケンにもそれなりの力を持っている代物はあるのか、春恋はすぐに愚痴りモードへと突入したのだ。

 自分の所為とはいえ、海童はお陰で三日間ずっと同じ愚痴を聞かされている始末である。


 ちなみにイナホも気にしていない訳ではないが、そこまで気にしない性格だからか、愚痴らず普通に接してきている。


 流石に碓へ地震の真相を話す事は出来なかったので、代わりにヘマをやらかしたと伝え―――間違ってはいない―――、いずれ分かる事であろうが誤魔化した。



「まあ良いじゃねえぇか、羨ましいぐらいだぜ?」
「なにがだ」
「天谷先輩にそれだけ心配されているって事は、その分惚れられてるって事だろ?」
「はぁ? ハル姉が? 俺に? 何の冗談だ」
「・・・お前はもう少し女心を分かった方がいいぜ?」
「そうですよ、海童様」
「イナホまで何なんだ・・・」



 ジトッとした眼で二人に見られるも、本人は本気で有り得ないと思っているのか、眉をしかめるのみ。
 そんなやり取りをかわしている内に、『検警部』と達筆な手書きで書かれたプレートのある部屋の前に付いた。



「ここが魔導検警機構・・・マケンキの部室。他のメンバーも居ると思うから、挨拶をしておきましょ」
「はい、リョーカイです!」
「天谷先輩! 姫神先輩も此処にいますかね!?」
「ええ、呼んでおいたから居るとは思うけど・・・でも気を付けてね? マケンキのメンバーは」
「おじゃましまーっす!」
「あっ・・・!? ちょっと碓君!」



 春恋が手を伸ばして止める前に、碓は引き戸をガラリと開けて元気よく入室・・・した瞬間。



「へ?」



 ガスッ! という音が彼の横から聞こえ、ブリキ人形の如くゆっくりそちらを向くと、漫画で見るような大きさの手裏剣が碓のすぐ横に突き刺さっていた。



「しゅ、しゅしゅっ手裏剣・・・!? ア、アハ、アハハ」
「オイ碓!? 大丈夫か!?」
「な、なんとかな・・・腰ぬけただけだ・・・」



 倒れかかった碓を支えて、部屋の中に目線を向けた海童が、何やら
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