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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼と歓迎会・・・と黒い影
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 夜の学園長室で仕事が終わっていないらしく書類を繰る実は、作業する手をいったん止めて、頭をガシガシと乱暴に掻いた。



「あ〜もう・・・入学式、エレメント検査と続いて・・・また問題が起こる何て厄介だよほんとにもう」
「あら? どうしたの実」



 そんな彼女へ検査の時にいた保険医の女性が、コーヒーを運びながら悩みの種の元を聞くべき問う。軽く息を吐いてから、実は顔だけ向けて答えた。



「今日の昼ごろさ、地震があっただろ秋」
「ええ、震度はかなりの物だったけど、すぐ終わった地震が・・・」
「それってな、人為的なものだったんだよ・・・入学式のときにやらかした新入生の」
「うそ・・・?」


 驚愕に口を押さえる秋と呼ばれた保険医は、まだ信じられないといった表情で実を見ている。



「信じられないとは思うけどね。大山海童の証言をもとに確認して見た所・・・抉れていた位置が見事に震源地だった訳だ。岩盤に亀裂も確認されていなかったし、入学式がまだ全力じゃ無かった事に加えて、衝撃波が拡散した事を入れると・・・やっぱり真実じゃないかって思うのよ」



 幸い、地震という自然現象だったからこそ、他の生徒には回りくどくない単調なごまかしで、騒ぎになる事無く事無きを得た。

 しかし、新たな問題が浮上してきている。



「まだ、いわゆるビギナーランクであれかぁ・・・こりゃもしかすると―――」
「魔剣『ムラクモ』を超えるかもしれない?」
「だって地震だよ? 下手すれば自分の知らない所にいる人間を、一回の攻撃に付き街一つの単位で滅ぼせてしまうかも」
「・・・破壊能力だけでも凄いのに・・・」
「厄介だね、こりゃ本当に」



 本人が意図して問題を起こしている訳ではなく、そして手探り状態で使っており、何より問題が多すぎる学校なので、これからも考えて絶対に禁止する訳にもいかず、問題の複雑さに実は頭を振った。



「もっと簡単な問題ならなぁ・・・こう、拳一つでバシッと解決できるような!」
「学園長が出張る必要のある問題で拳なんて、そうあるものじゃないわよ」
「分かってるよ。でもさ、やっぱり簡単に解決したくなるじゃん? 面倒事だしね」



 相変わらずだとお互いに笑い合いながら、実は秋の持ってきたコーヒーを手に、書類仕事を進めるのだった。
















「全くもう・・・怪我人が出なかったから良かったものの一歩間違えたら・・・」



 部活見学期間と仮入部期間が終わり、一年が全員正式に入部する事となった日。


 他に行く所も無いので、イナホや碓と同じく検警部に入る事となった海童は、春恋に愚痴られなが
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