3話
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
(オレは二度も詩乃を守れなかった)
一つ目は当然の事ながら平行世界上に於ける同一人物である朝田詩乃と同じ時期に起こった郵便局強盗。
もう一つは、彼女の持つドラグハート・ウェポンの力に目を付けた屑な上級悪魔が彼女を無理矢理眷属にしようとした時の一件だ。
前者では彼女が犯人を殺してしまい、人殺しと呼ばれるようになった事、それによっていじめの対象になってしまった事だ。……まあ、いじめの一件はいじめていた生徒全員を切れた四季が男女問わず全員大怪我させた事で、四季による一種の恐怖政治によって鎮圧してきたが……。
それが原因で四季は不良と呼ばれるようになった訳だが、当の本人は対して気にしては居ない。……まあ、それが原因で中学時代には不良グループを幾つも潰したと言う過去が有るが。
だが、人は異端を嫌う。人よりも優れているだけで何処か距離を感じるように……強力な神器等と言う代物を宿していて、それを発現させてしまったら……
有る意味では、原典世界での中心人物となっていた『兵藤一誠』は幸運と言えるだろう。『赤龍帝の籠手』と言う強力な神器を宿しながらも、少なくとも異端として他者から拒絶される事はなかったのだから。
まあ、発現させてしまった以上は普通の人間としての日々は送れないだろうから、悪魔に転生したのも選べる選択肢の一つだろうし。
四季の場合は早い段階に目覚めながらも、アウトレイジの仲間達や師匠となったアウトレイジのクリーチャー達のお蔭で力のコントロールも十分に出来た。
だが、誰も導く者も居らず、上級悪魔から逃れるために神滅具を超えるゴッドスレイヤーとなりうる力を持ったドラグハート・ウェポンを発現させ、その強大な力を制御できずに使ってしまい、それが原因で母から『化け物』と拒絶された彼女は……最も不幸な例と言えるだろう。
もっと早くその場に駆けつけられたならと四季は何度も後悔していた。だからこそ無力を呪って力を求めた。今度こそ駆けつけられる力を、守れるだけの力を。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
斬撃と共に高温に焼き払われるドーナシークの片腕、先程詩乃へと光の槍を投げようとしていた腕を切ると、焼かれると言う苦痛を同時に味遭う事となる。
「あぁ……」
恐怖の感情が浮かび上がる中、ドーナシークはそれを行なった四季を化け物を見るような目で見る。
(な、何なんだこいつは!?)
絶対的な死への恐怖と、既に己を殺そうとするクリーチャーの口の中に居ると言う光景を幻視する。『先程まで珍しい神器を持った小娘を追いかけて狩りを楽しみながら、アザゼル様に送る神器を手に入れようとしていた筈なのに』と言う考えが浮かぶ。
「取り合えず、テメェ」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ